RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

競馬開催を続けてもいいのだろうか?

 

今日、日本中、いや世界中のほとんどの関心は新型コロナウイルス

注がれているといってもいいでしょう。

我が国でも大都市圏を中心とした緊急事態宣言が出され、

休校や在宅勤務、そしてプライベートでの外出自粛が定着しつつあります。

 

自粛はエンターテイメント、スポーツ界にも広がっており、

観客を集めてのイベントは今や皆無となっているでしょう。

 

そんな中、競馬は無観客で開催を続けています。

 

 

 

・私は競馬開催否定派である

私は競馬開催には否定的な意見を持っています。

今のところ世論としては興味が無いか、無観客ならいいのではないか

という意見が大半だと思います。

中でも、競馬ファンでそういう意見はほとんど無いと思います。

 

中には野球もサッカーも自粛しているのに競馬はやっているなんて何事か!

のような感情的な意見もあると思います。

しかし、私は感情的な理由ではありません。

 

結論から言えば、競馬関係者間での大流行という、

最悪のシナリオを想定しています。

 

競馬で最も恐れないといけないのはトレセンで大流行して、

馬の面倒を見る厩舎関係者がいなくなることです。

感染が確認されれば、症状が軽症でも2週間は隔離措置があります。

1人2人ならなんとかなるかもしれませんが、

大多数の人がいなくなるとどうなるでしょうか?

馬にエサやりをすることもままならなくなるかもしれません。

 

さらに競馬関係者から放牧先や生産・育成牧場に流行が波及したらどうなりますか?

これはもう競馬という業界の危機になります。

 

別に競馬開催をやめれば上記のリスクがゼロになるわけではありません。

ただし、現状のJRAの対策ではリスクが高まっています。

 

サッカーや野球が開幕を延期しているのは、

無観客だと採算が取れないということだけでなく

チーム関係者に流行するリスク、ファン同士が自主的に大人数で集まることを

念頭に置いているでしょう。

 

競馬界にはそういう視点はほぼ無いと言えます。

 

 

 

・競馬を開催するなら徹底的な対策を

もし、感染拡大防止を徹底的に対策していれば、否定的な意見とはなりません。

しかし、JRAの防止策は中途半端です。

 

まず、4/3からの時系列をおさらいします。

◾️4/3、JRA職員が新型コロナウイルスの陽性となったことが判明。

 →この職員は3/29に調整ルームで勤務、同じ部屋のテレビでレースを見ていた

  藤懸、川須、岩崎(敬称略)の3騎手が自宅待機となり4/4,5から騎手変更。

 

この時点でもかなり危ない状況だと思いますが、調整ルームは消毒しているとして

競馬は開催しています。

 

◾️4/6、4/3に陽性が判明した上記職員と濃厚接触のあった他の職員2名の感染が判明。

この後、4/9に1名、4/12に1名のJRA職員の感染者が出ています。

新型コロナウイルスの感染力の高さを物語ります。

 

◾️4/8、今後の競馬開催に関する感染拡大防止策を発表。

詳細は以下のページから。

【!】4月11日(土曜)以降の中央競馬開催について JRA

 

まとめると

・平地オープンと障害競走以外は東西の遠征を禁止。

 ただしローカル(福島、新潟)開催は関西馬遠征可能。

・土日で異なる競馬場での騎乗を禁止。

 ただし障害に騎乗する騎手は可能。

・自宅やホテルを認定調整ルームとして運用可能。

 公正確保のためのルール(通信の禁止等)は継続。

というものです。

 

オープンと障害であれば東西の遠征が可能なら、

厩舎スタッフは移動しなければなりません。

どれだけの人の移動を抑制できるのでしょうか?

今までが10だとしたら7になりましたとか、その程度ではないでしょうか?

 

また、騎手にしても土曜の夜の移動の分は減りますが、

関西在住の騎手が関東に(その逆も)移動することを止めることが出来ていません。

 

上記の移動する人が皆、ドアトゥドアで競馬場と自宅を往復するわけではありませんよね?

公共交通機関を少なからず使用するのではありませんか?

 

そして福島と新潟開催は全く馬の遠征は制限しないというのは

開催の継続のために対策をしませんと言っています。

 

 

私はこういった

「対策をしましたと外部に向けてポーズを取るためだけの対策」が大嫌いで、

やるなら徹底的にやれよと言いたいです。

 

・馬も騎手も東西移動を完全禁止。たとえG1であっても。

・障害は人馬が確保できないなら番組中止。

・ローカル場所は開催中止。

 

これくらいやるのならしっかり考えているなと感じることができます。

ただでさえJRAトレセンから競馬場までの移動で県をまたぐのです。

上記で述べた最悪のシナリオを避けるためにも徹底的にやってほしいです。

 

なので地方競馬に関してはトレセンと競馬場の距離が近いので

そこだけで完結するならいいのではないかと感じています。

南関東の4場に関してはちょっと怪しいですが)

地方競馬JRAよりも金銭事情がシビアだということもあります。

 

 

 

また、認定調整ルームについては、

調整ルームに人が密集するという問題に対する対策ですが

別の問題が出てきています。

それは今回の本題とはそれるので、別エントリーで書きます。

 

 

 

・稲垣厩舎所属の全頭が競走除外

4/11,12の競馬開催において、稲垣厩舎に所属の出走予定だった計3頭が

競争除外となりました。

理由は稲垣厩舎のスタッフが体調不良を訴え、

4/9にPCR検査を受けたためでした。(後に陰性と判明)

 

この時、稲垣厩舎のスタッフは皆トレセン内で誰とも接触していないので

稲垣厩舎の馬を除外すれば開催することは問題ないという説明でしたが、

そんなことあり得るのでしょうか?

ウイルスには潜伏期間がありますから、1,2週間遡る必要があります。

ただの1回も誰ともすれ違わずに、調教でも周りに誰もいないというのは

説明に無理があると感じました。

(体調不良判明後は誰とも接触しないようにケアをしていたようですが)

 

そして、今後体調不良になった時に自厩舎の馬が全て出走できないと思い、

体調不良の申告をしにくい状況になっているでしょう。

例えば今週で言えば皐月賞に出走する厩舎であれば余計にそう思うでしょう。

 

全厩舎スタッフ、騎手に毎日の検温、提出を義務付けているでしょうか?

それくらいはやってもらわないといけないでしょう。

 

ましてや新型コロナウイルスは無症状感染者もいることが判明しています。

もうトレセンで流行してもなんら不思議はありません。

 

 

 

・最後に

私は競馬が好きです。

だからこそこのウイルス禍によって競馬の業界ごと潰れてほしくありません。

 

それは開催の制限によるお金の問題よりも、

競馬に携わる人がいなくなってしまうことの問題の方が重大ではないでしょうか?

 

今の対策のまま開催を続けても競馬界で流行しない可能性ももちろんあります。

しかし、トレセンや牧場で大流行してしまったらおしまいなのです。

 

あまりにも“起きたら一番マズいこと”を考えている人が

競馬関係では少ないなと思ったのでコラムを書いた次第です。