RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

【前編】競馬は無くなるべきなのか?

 

※この記事は半年かけて書きました。

間違えてることもあるかもしれませんが、

全編お読みいただければ嬉しいです。

 

 

次→【中編】競馬は無くなるべきなのか? - RM_horseの競馬コラム

 

 

 

競馬には以下のような批判がつきものです。

「骨折しただけで安楽死させるなんて、

   走らなくなったら殺すのか」

「ムチで叩いて動物虐待だ」

「馬は走りたくないかもしれないのに、

   無理矢理走らされてかわいそう」

 

上記だけで終わらず、競馬は無くなるべきという意見も

一部から出たりします。

 

近年は過激さの大小はあれど、動物に関連する事柄に対しての批判はつきものです。

 

こういった意見に対して、競馬でメシを食べている業界の人は

あまり考えや反論をしたくないでしょう。

何か発信することで余計な火種をくすぶらせて、

規制のきっかけにはしたくありませんので当然です。

それは我々競馬ファンも同じです。

基本的には規制されたくありませんし、

競馬そのものが無くなってほしくはありません。

 

しかし、過剰な動物愛護と無視するのではなく、

意見に対して客観的かつ誠実に考えることは

競馬が今後も続いていくには必要だと思います。

 

今回は毎週馬券を買ってる競馬ファンの1人である

私の見解を述べさせていただきます。

 

前編では、よく批判されがちな骨折での安楽死とムチに関して

事実をもとに現状をお伝えします。

 

 

・骨折での安楽死はやむを得ない

レースで故障を発症し、途中で競走中止になり、

その後の検査で脚の骨折が判明して安楽死予後不良)となるケースがあります。

 

人間の骨折では

・折れた骨が内臓に突き刺さる

・外に飛び出して大量出血

・折れた箇所からの感染症

・首や背などの骨折で呼吸困難

といったケースで死亡することはあっても、

骨折によって命の危険にさらされることはまれです。

 

しかし、馬の場合は違います。

折れた骨自体は人間と同様に数週間安静にしていればくっつくはずですが

安静にしていることができないのです。

馬は歩くことで脚への血液の循環を促進させており、

いわばポンプの役割を果たしています。

人間のように寝たきりの状態になると

脚に血液が十分に回らず、蹄(ひづめ)が腐敗して

蹄葉炎という別の病気になってしまいます。

蹄葉炎は治せませんので馬は衰弱し、

苦しみながら死を待つしかないのです。

つまり、骨折による安楽死の措置は

馬が苦しまないようにしてあげるせめてもの苦渋の決断なのです。

 

このあたりはWikipediaの記事がわかりやすいのでリンクを載せておきます。

予後不良 (競馬) - Wikipedia

 

このようになったきっかけは、本来ならば安楽死にさせるべきだった

テンポイントという馬が骨折の治療を試みた結果、

苦しみながら死んでいったこともWikipediaに載っています。

あまりに悲惨な結末のため閲覧注意ですが、リンクを載せておきます。

テンポイント - Wikipedia

 

また、骨折をしても予後不良とならずに

休養後に復帰するケースももちろんあります。

むしろその方が多いです。

これは寝たきりにならなくても治すことが出来る場合です。

骨折の箇所によっては全力で走れなくても歩行は可能ですし、

完全に骨折しておらず、ヒビの場合でも骨折と表現します。

骨折を乗り越えてその後大活躍する馬もたくさんいます。

 

また、競走馬として復帰出来なくても安楽死とはならずに

その後種牡馬繁殖牝馬、乗馬になるケースもあります。

あくまで判断しているのは馬主や調教師ではなく獣医さんです。

 

よって、

「骨折しただけで安楽死させるなんて、

   走らなくなったら殺すのか」

という意見は筋違いであると結論付けます。

これは私の主観ではなく、客観的事実と言っていいはずです。

 

 

・ムチに関するルールは毎年のように改正されている

競馬においてかかせないムチ。

これにはGoサインを伝えるための合図および

馬の走る進路指示や、左右にヨレることを矯正する役割があります。

 

ただし、馬をぶっ叩くという行為の見栄えがあまりにも悪いため

嫌悪を感じる人も少なくないようです。

これに対して競馬関係者の中には、競走馬は筋肉に覆われているため

痛みは感じないと主張する人もいます。

今の科学技術では馬の痛覚を正確に測ることはできないので、

どれくらい痛いかは全くわかりません。

 

ですが、人間と同じように痛いのであれば、

馬は嫌気を出しすぎて競馬にならないはずですので

人間がムチで叩かれるよりは痛みは感じていないとは思います。

しかし、特に若い馬に多いですが、ムチから逃げたりすることもあるので

全く影響がないわけでもないでしょう。

 

ただし、競馬界もムチに関しては制限があります。

日本ではムチの使用は10回以内となっており、11回以上は制裁対象です。

また、2017年以降はムチの先端が柔らかいパットで覆われているものを

使用することが義務付けられています。

効果があるかはわかりませんが。

 

ヨーロッパではムチの使用回数がさらに制限されていることが多く、

フランスやドイツでは5回と少なく、また、ノルウェーでは

ムチの使用自体を禁止されています。

最近、賞金がダントツ世界一のレース、サウジカップ

2着のミッドナイトビシューの鞍上マイク・スミス騎手が

ムチの使用制限10回を超えたため、

賞金の60%にあたる20万ドルの罰金と9日間の騎乗停止

となったことは記憶に新しいです。

 

今後、日本も回数制限は厳しくなっていくと思います。

(それよりも罰金を上記のように賞金の◯◯%としたほうがいいと思いますが)

 

個人的にはムチの使用制限自体には賛成です。

無秩序にムチを使うのは馬の精神面にもよくないことは

ゲート入りを渋る馬に対してムチを使用するのを

騎手が出来るだけ避けているのを見てもわかります。

なのでレースでいくら連打してもいいということはないでしょう。

 

ただし、ムチの過剰な使用制限や、そもそもムチを使用しないというのは

危険ではないのかなと思います。

馬がヨレたときに矯正が出来なくなるなど

騎手や馬が危険になる面を考慮できているか微妙です。

そこの議論がなされているか疑問であります。

 

このように、ムチに関しては年々規制される方向です。

(いいかどうかは別として)

 

 

・前編のまとめと中編のテーマ

よく言われがちな安楽死とムチに関しては、

上記の通り理由や対策がなされていると考えています。

この2つを持って競馬を批判するのは少し筋が違うかなと思います。

 

中編ではそもそも競馬自体無くなってしまえという

意見に対する考えを記します。

これには真正面からの反論はありません。

ただし、そのような意見の通り競馬がなくなるとどうなってしまうか

ということを想像してみたいと思います。