RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

【中編】競馬は無くなるべきなのか?

 

このコラムをお読みいただく前に、

まずは前編をお読みいただければ幸いです。

 

前編はこちらから

 

 

次→【後編】競馬は無くなるべきなのか? - RM_horseの競馬コラム

 

 

 

さて、中編ですが、

「競馬は動物虐待だから無くなるべき」

という本質的な意見に対しての考えを記します。

 

実はこれに対しての真正面からの反論はないです。

ですが仰せの通りに競馬がなくなると、どうなってしまうか

ということは考えることができます。

本当にこうなっても大丈夫?と問いかけてみたいと思います。

 

 

・競馬は動物虐待ではないとは言い切れないが。

「走りたくない馬を無理矢理走らせて、怪我も多い競馬は動物虐待だ」

という意見をたまに目にします。

 

もちろん走りたくてしょうがないという馬もいると思いますが

その逆もいるでしょう。

動物園で悠々と暮している動物や、ペットで飼育されている犬や猫に比べれば

つらいことをさせていると思います。

いくら普段担当者が大事にケアしていても、嫌なものは嫌な馬もいるはずです。

 

ですがそれだけで動物虐待というのであれば、

仕事をするのが嫌なのに仕方なく仕事をしている人間も虐待になってしまいます。

だから何がなんでも走れとは言いませんが、

人間と同様に頑張り時も必要なのかなとも思います。

 

ただし、競走馬には胃潰瘍が多いとも聞きますし、

動物虐待ではないとは言い切れない面はあります。

 

 

・競馬が無くなるとどうなってしまうか?

ここからが本コラムの本題です。

競馬が動物虐待だからと無くしてしまった場合、

多くの馬たちはどうなってしまうか?

 

結論から申し上げると、馬がいなくなると思います。

 

馬には競馬の他に乗馬で人と関わっています。

よく田舎の牧場に行くと体験できたりしますよね。

ゆっくり散策する乗馬体験は人気のアクティビティの1つです。

これを批判している意見はあるのかもしれませんが

ごく少数だと思います。私は目にしたことがありません。

 

おそらく競馬がなくなるべきという意見は、

競馬だけ無くなり、乗馬はそのままになることを想定していますが

おそらく経済的にそうはなりません。

 

多くの乗馬体験の馬は、もともと競走馬であり

引退後に乗馬として活躍しています。

競走馬から乗馬になる際、競走馬は速く走ることを求められ、

乗馬にはゆっくり走る(歩く)ことを求められるので

そこの矯正は必要ですが、もともと人が乗ることは教えられているので

1から乗馬を教えることに比べればはるかに労力は少ないです。

また、競馬からの引退馬には仔馬から育てる費用はかかりません。

仔馬の育成には非常に費用と労力がかかります。

ただでさえ乗馬クラブはどこも経営が厳しく、

補助金助成金頼みになっていることも多いと聞きます。

 

ということを考慮すると、競馬が無くなって生産・育成牧場が無くなれば

あっという間に馬自体がいなくなると考えています。

現在の乗馬の需要で、馬の生産から生涯面倒を見るような

経営体力がまかなわれるとは思いません。

動物園で飼われるということもないことはないですが、

走り回る広い敷地が必要なので現実的ではありませんし、

群れの習性があるので、複数頭を飼育することが必要です。

 

また、数多の馬が野生化したとしたら、草食動物ではありますが、

食べる量が半端じゃないので生態系はめちゃくちゃでしょう。

 

よって、競馬が無くなると馬もいなくなるというのは

決して大袈裟ではないことがわかると思います。

ウマという種の保存自体が怪しくなってきます。

 

競馬だけが無くなって全て解決ということはあり得ません。

風が吹けば桶屋が儲かるということわざがありますが、

何事もその後の影響を考えなくてはいけません。

 

これに対する答えが明確であれば、

毎週馬券を買っている私も競馬が無くなることに納得します。

(賛成までは出来ませんが)

 

おそらくそこまでの答えは出てきませんので

馬の負担を減らすという考えに向かう方が現実的だと思います。

それに関しても抽象的、想像だけの話ではなく、

具体的な指摘が必要だと思います。

 

 

・後編のテーマについて

後編には私も改善した方がいいと思っている、

「競走馬引退後の現実」

について記します。

 

そして前、中、後編を総合して、自分なりの結論を出します。