RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

【後編】競馬は無くなるべきなのか?

 

本コラムをお読みいただく前に、前編および中編を

お読みいただければ幸いです。

 

前編はこちらから

 

中編はこちらから

 

 

さて、最後の後編では、競走馬が引退した後

どうなっているのかという現実を取り上げます。

これに関してはすぐに対策をするべきと思っています。

 

そして、前・中・後編を通じて、

「競馬が無くなるべきなのか?」という議題に対して

総合的な結論を記します。

 

 

・競走馬の引退後の現実

日本では年間約7000頭のサラブレッドが生産されています。

このうち引退後に種牡馬になるのは極々少数です。

牝馬であれば繁殖牝馬になる道も多いですが、

全ての牝馬がそうなることはありません。そこまでまかなえません。

 

残りの馬はどうなるか?

地方競馬へ移籍している場合はあります。

しかし地方競馬からも引退する時は来ます。

 

そういった馬は基本的に乗馬となっていると、表向きは発表されています。

実際に乗馬になっていることもあります。

※本当に乗馬になっている場合は場所が明記されています

ただ単に乗馬と書いている場合のほとんどは屠殺されていると考えていいでしょう。

 

よく考えてみてください。毎年7000頭もサラブレッドが増えているのです。

調教師が管理できる頭数には限りがありますから、

増えた分同じくらい毎年引退するのは当たり前です。

 

生産牧場や乗馬クラブでその7000頭/年を吸収できるわけがありません。

サラブレッドは20年くらいは生きるので、

全て受け入れていては馬が増えていく一方になります。

よって多くの馬が屠殺されています。

 

下の記事でも引退馬を受け入れているNPO法人の代表が

屠殺(馬肉になっている)現状を語っています。

「引退馬はどこへ行く?」。引退後の競走馬をリトレーニングして命を救い、「第二の人生」を花開く〜吉備高原サラブリトレーニング | JAMMIN(ジャミン)

 

 

・多くの馬が屠殺されてしまう要因

こうなってしまっている原因は単純に馬が多すぎるから。

1番大きな要因はシンプルにこれでしょう。

 

JRAでは芝の長距離以外、新馬、未勝利、1勝クラスでは

除外されるのが当たり前になっています。

とにかく馬が多いのです。JRAに登録する馬が多すぎます。

それだけJRAの賞金に魅力がある証なのだと思いますが

ロクに出走できずに引退するケースも多いです。

JRAもいろいろ対応していますが、

馬主になりたいと思う人は増える一方のようです。

 

ですが、これは本質的な話ではありません

というよりも、屠殺が完全に無くなるには

競馬が無くならないと不可能でしょう。

日本では1年365日、中央競馬あるいは地方競馬が開催されている競馬王国。

レース自体が多すぎるのです。

 

ただし、レースを減らせばいいというものでもなく、

引退後の乗馬等のセカンドキャリアの受け口のバランスを考慮し、

屠殺が全くされないようにするには

年間数百頭の生産になってしまうのではないでしょうか?

これはもうビジネスとして成立しません。

じゃあ競馬をなくせよという意見に対しては

競馬が無くなった時の懸念は中編で記しました。

 

よって屠殺に関してはゼロには出来ないだろうというのが私の認識です。

馬肉になることでそれをビジネスにしている面もあるでしょう。

例えばアメリカの州によっては屠殺禁止にしていたりしますが、

それは屠殺が可能な日本等に輸出して屠殺しているだけです。

 

ただし数を減らすことは出来るでしょう。

今は多すぎると思います。

 

 

・競走馬の登録を減らすことに効果があるか?

屠殺を少なくする努力はしていくべきだと思います。

 

まず、近年JRAは馬を減らす政策を進めています。

もともとJRAの馬主になるには収入と資産で高いハードルがあり、

限られた人間しか馬主になれませんが、それでも馬主は増えます。

 

そしてレースプログラムの面で、

3歳9月のいわゆるスーパー未勝利戦は廃止されました。

来年からは3歳新馬戦が廃止される方針とも聞きます。

ただし、これはどちらかというと馬の登録を減らすというよりは

地方競馬への移籍を促すような政策と言えます。

 

おそらくそれでも馬は減らないので、将来的には

1日のレース数を増やす方向になるでしょう。

(法律の改正が必要なのでハードルは高いですが)

そうなると屠殺を少なくする努力とは違う方向です。

今はレースの除外が多い問題に対しての解決の視点しか無いようです。

 

残念ながら、馬の生産そのものを減らすというのは

JRAも生産側も馬主も持っていないように思えます。

 

 

・引退後の受け口を増やす

引退後の受け口を増やす活動というのは近年活発になってきています。

最も大きな団体は、認定NPO法人 引退馬協会 です。

認定NPO法人引退馬協会|引退した競走馬の余生を支援する

ここには私も少額ではありますが支援をしています。

 

角居調教師が発起人である、

サンクスホースプロジェクトも規模が大きくなってきました。

https://thankshorseplatform.com

 

上記を含め、引退馬の支援先をまとめているサイトがありますので、
興味のある方は是非支援をしてみてはいかがでしょうか?

https://umas.club/hs001

 

 

JRAは上記の引退馬の受け入れ先を支援するという形で

間接的に支援しています。

「引退競走馬の養老・余生等を支援する事業」(2020年度)について JRA

しかし、JRAは自分でしっかり

引退馬の受け入れ先を作るべきです。

各競馬場の誘導馬馬事公苑はありますが、もっと増やすべきと思います。

数年前に顕彰馬のタイキシャトル種牡馬を引退する時、

受け入れ先がNPO法人となっていました。

自分で表彰した馬の面倒も見れないのかとJRAには失望しました。

 

また、馬主にも引退後の面倒を見る意識が必要です。

近年はクラブ法人一口馬主も増えていますが、

引退後に関して無責任ではいけません。

クラブがしっかり費用を負担すべきです。

一口費用から取っても構わないと思っています。

しかし、金融商品という建前上、

関係のない費用を徴収することは出来ないと思いますので

やはりクラブが負担するべきですね。

 

少し話がそれましたが、

「自分の馬には自分で最後まで責任を持つ」

という当たり前の意識が必要ではないでしょうか?

最後までというのが屠殺という結論なのかもしれませんが、

おそらくサラブレッドオークション等にかけて

人任せにしていませんか?

毎年何十頭もの競走馬を所有している馬主でも、

自分の馬を屠殺する結論を出すのは難しいでしょう。

それが嫌なら引退後の面倒を見るべきです。

 

また、日本最大の競走馬生産元である社台グループにも

もっと積極的に引退馬の受け入れ先を確保することを望みます。

 

 

屠殺を少なくするということは、競馬界に求められた社会的要求と言えます。

それがわかっているから屠殺の現状を自ら発信をしませんが

臭いものに蓋をするのは限界があります。

しっかり事実を発信できるような施策をしていかなければいけません。

今はとてもじゃないけど現実を正しく公表できるような状態ではないのでしょう。

放っておくと将来大問題になりかねません。

 

 

・結論

今回の前・中・後編にわたる、

競馬は無くなるべきなのか?

というテーマに関して、私見を述べます。

 

 

競馬は無くなるべきではありません。

その理由は中編で記した通り、無くなるとウマの種の保存が怪しいからです。

しかし今のままでは無くなってしまえという意見に対して

はっきりとそれは違うと言い切れません。

 

屠殺にしても全て食用として利用されているのなら

まだいいかもしれないですが、そうなっているかどうかもわかりません。

ただ馬が死んでしまうだけというケースが多いかもしれない。

そこまでして競馬をやる意味はあるのかと言われれば、無いでしょう。

 

別に毎日競馬が出来なくても構わない、

毎週JRAの競馬が出来なくても構わない、

 

今は明らかに馬が増えすぎているので、

屠殺を減らし、屠殺があるとしても

全て食用として利用されなければならないのではないでしょうか?

 

 

 

答えのない議題でしたが、

競馬を楽しむ以上向き合わなければならないテーマだと考えています。

このコラムを読んでくださった方には

各々答えを出していただければ幸いです。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。