RM_horseの競馬コラム

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競馬についてあれこれ書きます。

POG簡易攻略講座【#2 種牡馬別の傾向】

 

これからPOGをはじめる人、近年はじめたばかりの人向けの

POG簡易攻略講座です。

#2では各種牡馬の傾向を考えてみます。

 

※血統の傾向について書きますが、

もちろん絶対ではなく例外もあることをご承知おきください。

 

 

#1はこちらから

 

#1で載せた過去5年のPOG期間活躍馬の表を貼り付けておきます。↓

 

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・活躍馬の兄弟は活躍するか?

種牡馬の考察に入る前に、活躍馬の兄弟について考えます。

G1馬の弟、妹はPOGでも人気を集めますが、

兄や姉と同じように活躍が見込めるのでしょうか?

 

結論から言うと、活躍馬(G1馬)の兄弟にあまり期待しない方がいいです。

上記の表で複数の子どもが活躍を見せたのは、

シーザリオリオンディーズ、サートゥルナーリア)と

母ラヴズオンリーミー(ラヴズオンリーユー)のみです。

 

G1勝ち馬を複数産むというのは非常に難しいので、

その低い確率に賭ける必要はありません。

(逆に言えば、上記2頭の母馬の産駒はまた活躍するかもしれません)

 

例えば現役最強馬のアーモンドアイ。

フサイチパンドラの7頭目の子どもです。

兄や姉はシンボリクリスエスキングカメハメハハービンジャーが父でしたが、

大きな活躍は出来ませんでした。

しかし、ロードカナロアをつけると怪物が生まれたのです。

 

このように、兄弟が活躍していなくても血統配合の試行錯誤がハマることが多いですし、

父が同じでも育成面で当然試行錯誤しています。

 

また、一度活躍馬を出した母の産駒はその後は高値で売れます。

(クラブ馬でも一口価格が上がる傾向です)

なので乱暴な言い方をすれば、勝手に売れるのです。

 

そういった背景も考慮すれば、活躍馬の兄弟よりも

まだ活躍馬を出していない母の子どもの方がおすすめです。

 

 

・兄弟の仕上がりの速さにも注目

指名馬の兄弟に関しては、活躍度よりも仕上がりの速さには注目です。

いい馬でもダービーまでに成長が間に合わなければ、

POGでのポイントを稼ぐことはできません。

 

入厩時期が早かったり、調教で時計を出す時期が早いといったように

直接的に仕上がりの早さを見る要素はありますが、

先に仕上がりが早いかどうかを予測する方法として、

その馬の兄弟のデビュー時期や勝ち上がりの時期を確認するのは重要です。

 

必ずしも仕上がりの早い遅いが遺伝するわけではありませんが、

デビューが早い馬が多い兄弟であれば安心材料になります。

逆にいつもデビューが遅い子供が多い母の馬を選ぶのは勇気が入ります。

 

POGで指名したのにデビューが間に合わなかったというのは残念ですから

兄弟のデビュー時期や勝ち上がりの時期は見ておきましょう。

(デビューだけ早くて成長が遅い場合もある)

 

ただし#1で書きましたが、生まれの月が早い方が優先です。

 

 

 

ディープインパクト

さて、種牡馬別各論に移ります。

種牡馬について、先にポイントをまとめておきます。

 

◾️手っ取り早いのは母にStorm Catを探す。

◾️母にアメリカ血統を持つ馬との相性が良い。

◾️Danzigも相性が良い。

 

いきなりメインですが、大種牡馬ディープインパクトについて考えていきます。

昨年の夏に残念ながら死亡してしまいましたが、2018年までは多くの種付けをしており、

今年のPOG指名対象馬も非常に多いです。

 

毎年、必ずディープインパクト産駒がPOG期間で活躍しますので

指名馬にディープインパクト産駒を入れないという選択肢は無いと思います。

しかし、ディープインパクト産駒は数も多いので、絞り込むのが迷ってしまいます。

 

最も手っ取り早いのが、母系にStorm Catストームキャット)を持つ馬を探してみましょう。

非常に活躍馬が多いことで知られている配合です。

 

上記表のディープインパクト産駒で母系にStorm Cat持ちは

ラヴズオンリーユー、ダノンキングリー、カレンブーケドール、コントレイルがおり、

過去にはキズナエイシンヒカリサトノアラジンなど多くの活躍馬を出しています。

5年前から2年前までは全然いませんでしたが、

ここ2年は再びディープインパクトStorm Catの組み合わせの活躍馬が集中しています。

 

もっと大分類で言えば、スピードが強化される母系がアメリカ血統というのがいいのですが、

詳しくわからない人はStorm Catを探した方がいいと思います。

 

また、母系にDanzigダンチヒ)持ちもいいです。

サトノアレス、サトノダイヤモンド、ダノンプレミアム、

ケイアイノーテック、ロジャーバローズ

と数はStorm Cat持ちより多いです。

 

Storm CatあるいはDanzig

ディープインパクト産駒はこの2頭を母系統で探しましょう。

 

 

キングカメハメハ

先にポイントをまとめます。

 

◾️母系にはRobertoやSadler's Wellsなどの欧州系の重厚な血統を。

◾️アメリカ血統等の速さを追求しすぎると、距離適性が短い。

◾️サンデーサイレンスは必ずしも必要としない。

 

サンデーサイレンス系の種牡馬の筆頭格のキングカメハメハ

ディープインパクトを追いかけるように昨年の夏に死亡しました。

死亡前より体調不良が続いており、近年は種付け頭数を絞っていました。

それでも今年も70頭程度の指名対象馬がいます。

 

その体調不良が産駒にも伝わっているのか、

ここ3年はキングカメハメハ産駒のPOG期間での活躍が見られないのが寂しいです。

 

ポイントとしては、速い血を母に持ちすぎないことでしょうか?

 

ディープインパクトは母系にとにかくアメリカ血統等の速い血を注ぎ込めといった感じですが

キングカメハメハはRoberto(ロベルト)やSadler's Wells(サドラーズウェルズ)を持つ

レイデオロリオンディーズといったように、欧州系の重厚な血も必要かもしれません。

エアスピネルも母父はサンデーサイレンスですが、母母父はノーザンテースト

スピードを追求した血統とは言えません。

 

逆にスピードを追求したキングカメハメハ産駒の筆頭は

短距離王ロードカナロアであるように

アメリカ血統を母系に重視すると距離適性が短くなりがちのようです。

 

また、キングカメハメハディープインパクト等のサンデーサイレンス産駒と違い、

母がサンデーサイレンス系と組み合わせることができる強みがあります。

しかし、必ずしもサンデーサイレンスの血を必要とはしていないようです。

現にレイデオロサンデーサイレンスを持っていません。(ロードカナロアも)

 

後で出てくるキングカメハメハ産駒の種牡馬とは違う要素です。

 

 

ダイワメジャー

ポイントは

◾️仕上がりが早い産駒が多く、POGに適している。

◾️しかし2000m以上の重賞を勝利したことはない。

◾️牝馬の活躍が多く、母系にSadler's Wellsが好相性。

 

仕上がりが早いことで有名なダイワメジャー

勝ち上がり率も高いのでPOGにも適している種牡馬だと思います。

 

しかし、ダイワメジャー産駒は2000m以上の重賞を勝利したことがありません。

G1だけでなく重賞すら勝ったことがないのです。

なのでダイワメジャー産駒を指名するということは、

その馬は桜花賞NHKマイルカップ狙いになります。

 

実際に上記の表でもダイワメジャー産駒の活躍はNHKマイルカップ桜花賞のみです。

牡馬はアドマイヤマーズのみで、牝馬の活躍が目立ちます。

そして、上記の表に載っているダイワメジャー産駒のうち、

レーヌミノル以外に共通するのは、

母系にSadler's Wellsを持っていることです。

もはや必須級の条件だと思いますので、

ダイワメジャー産駒にはSadler's Wellsを探しましょう。

 

 

ハーツクライ

ポイントは

◾️仕上がりが遅めの傾向だが、早めに活躍して古馬でも活躍する馬もいる。

◾️当たり年とイマイチな年が偏る。

◾️評判の良いハーツクライ産駒が複数頭いる時は当たり年かも?

◾️血統の傾向はつかみにくい。

 

ディープインパクトキングカメハメハステイゴールドと共に

社台SSを長年支えてきたハーツクライです。

現在、存命なのはハーツクライのみです。

 

ハーツクライ産駒は古馬になってからも活躍する馬が多いとされています。

それは仕上がりが遅めであることの裏返しでもありますが、

スワーヴリチャードやリスグラシューのように、

早い時期から活躍して古馬になっても活躍するという怪物もたまには現れます。

 

偶然ではあると思いますが、近年のハーツクライ産駒は当たり年とイマイチな年が偏ります。

今年はサリオスを筆頭にダービーにもワーケアやマイラプソディが出てきており、

牝馬もクラヴァシュドールが有力馬でした。

しかし昨年は牡馬も牝馬ハーツクライ産駒は有力馬がいませんでした。

(あえて言うならシャドウディーヴァくらい)

 

今年は当たり年かどうかはまだわかりませんが、当たり年の時には

評判の良いハーツクライ産駒が1頭だけでなく、たくさん聞こえてきますので

そういったときは当たり年かもしれません。

 

血統は正直傾向がわかりません。

よく、ハーツクライ産駒には母系にアメリカ血統のスピードを掛け合わせて

クラシックに間に合わせていると聞きますが、

(つまり、ディープインパクトと同じ傾向)

上記の表に出てくる馬の血統表を見ても、

そんなにスピードを重視しているとも思えないのです。

 

では、欧州のスタミナ血統が入っているのかというと、

そういうわけでもないので、よくわからないのです。

もっと詳しい人に言わせてみれば共通点や傾向があるのかもしれないですが

不勉強で申し訳ございません。

 

 

ロードカナロア

ポイントは

◾️2019-2020シーズンは活躍馬無しの大不振。

◾️母系の特徴を出すというのは話半分で考える。

◾️産駒の勝ち鞍は1600m以下に集中。

◾️母サンデーサイレンス系を狙うのが無難か?

 

ロードカナロア産駒は初年度でアーモンドアイ、2年目でサートゥルナーリアと

連続でG1馬を出しましたが、3年目の2019-2020シーズンはかなり不振で、

G1に出走したのがヤマカツマーメイド、ボンボヤージ、

パンサラッサ、メイショウチタン4頭のみで

ヤマカツマーメイドの阪神JFでの5着が最高着順でした。

あとは二桁着順です。

 

ロードカナロア自体がスプリンターでしたので、

距離が長めの皐月賞オークス、ダービーでの活躍がしにくいのは

アーモンドアイとサートゥルナーリアが例外なだけで仕方がないかもしれませんが、

今年は桜花賞NHKマイルカップでも有力馬を出せませんでした。

POG期間のG1が全てではないにしても、

これは種付け料2000万に全く見合わない成績です。

 

産駒がデビューしてから今年で4年目で、まだ血統の傾向がわかっていませんが、

よく言われる母系の特徴を引き出す種牡馬だというのは、

話半分くらいに考えた方がいいと思います。

 

なぜなら、本当に母系の特徴ばかり出る種牡馬であれば、

産駒の距離適性はそれなりにバラけるはずですが、

ロードカナロア産駒の勝ち鞍は1600m以下に偏っています。

なのでスプリンターの父の特徴は出していると思います。

よってPOGではダイワメジャーと同様に

桜花賞NHKマイルカップを見据えるのがセオリーです。

 

しかし半々と申し上げたのは、ダイワメジャーと違って

アーモンドアイ、サートゥルナーリアを出していることです。

2000m以上のG1でも勝てる怪物級の子供が既に2頭もいるのです。

なので特大ホームラン級の大当たりの可能性もあるのです。

 

この2頭の母父は

アーモンドアイはサンデーサイレンス

サートゥルナーリアはスペシャルウィーク(その父がサンデーサイレンス

ですから狙うならサンデー系の母父ですかね?

 

これまでのロードカナロア産駒の重賞勝利は12頭いますが、

サンデーサイレンスを持たない馬は

ダノンスマッシュ、イベリス、キングオブコージの3頭のみ。

母にサンデーサイレンスを持つ馬を選択するのが無難だと思います。

 

 

・その他の種牡馬

その他の種牡馬に関しては軽く述べます。

 

 

◾️ルーラーシップ

ルーラーシップは頭数が多いですが、重賞で活躍する馬は今のところ少なめです。

これまでの産駒のオープン馬23頭のうち、

母にサンデーサイレンスを持たない馬は

スペリオルシチーとパッシングスルーしかいませんので、

母にサンデーサイレンスの血は必須と言ってもいいくらいです。

 

特に相性が良さそうな母父はアグネスタキオンフジキセキクロフネでしょうか?

クロフネサンデーサイレンス系ではありませんが、

先に挙げたサンデーサイレンスを持たないパッシングスルーの他に、

リオンリオンやリリーノーブルなどがいます。(母母系にサンデーサイレンス有)

 

 

◾️オルフェーヴル

勝ち上がり率が低く、種付け頭数も低下傾向ですが

クラシックで活躍したラッキーライラックエポカドーロを出しています。

今年は故障でダービーには出れませんでしたが、

青葉賞を勝利したオーソリティがいました。

 

母にMr.Prospectorの血を持つ馬の活躍が多いようです。

上記のラッキーライラックエポカドーロを含め、

重賞勝ち馬で持っていないのはオーソリティだけです。

 

あと、Sadler's Wells持ちも多いのは意外です。

ミスプロはわかるとしても、サドラーズ持ちはスピードが足りなそうに感じます。

 

まだ今年で産駒がデビューしてから4年目ですので、

傾向が分かるのはこれからでしょうか?

 

 

◾️ハービンジャー

今年のクラシックには1頭も絡めませんでしたが、

コンスタントにクラシックに出走させています。

 

特に現6歳世代はハービンジャー産駒のPOG当たり年で

ペルシアンナイトとモズカッチャンがおり、秋華賞を勝つディアドラもこの世代。

翌年もブラストワンピースとノームコアと2頭のG1馬を出しました。

 

ハービンジャーには母にNureyevの血が好相性です。

G1馬5頭のうち、ノームコア以外の4頭が持っています。

とにかく母にNureyevを探しましょう。

 

 

 

・最後に

今回、自分が詳しくないながらも血統について書きましたので、

よく知っている方にはツッコミどころ満載だと思います。

 

しかし、最初はこれくらいの感じから始めないと

血統についてはわからないままです。

最初から5代血統表を見て

クロスやインブリード、アウトブリードを語れるようにはなりません。

 

これが血統を知ることの入り口になれば幸いです。