RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

ラブカンプー奇跡の復活

 

先日のCBC賞を勝利したのはラブカンプー。

奇跡の復活ともいえるこの勝利を讃え、経歴を振り返ってみます。

 

 

シルバーコレクターだった3歳

ラブカンプーは2017年8月5日の小倉芝1200mの2歳新馬戦でデビュー。

この時は2着で、その後2戦も2着が続きましたが4戦目で初勝利します。

未勝利勝ちが4戦目というのは少し遅めですが、

改めて未勝利を脱出するまでの3戦を見てみると、勝ち馬がその後出世しており、

時間がかかったのも致し方ないのかなという印象です。

 

デビュー戦の1着は次走の小倉2歳Sで3着になるバーニングペスカ。

2戦目では現在も短距離重賞で活躍しているアンヴァルが1着。

3戦目の1着はなんとダノンスマッシュです。

後から見ると随分と組み合わせの悪い新馬戦未勝利戦だったのだなと感じます。

 

その後3歳の2月に3歳500万のかささぎ賞(小倉芝1200m)を勝ち、

フィリーズレビューアーリントンCと重賞に挑戦するも

距離が長かったようでどちらも大敗。

以降はスプリント路線に照準を定め、1200m以下のレースしか使っていません。

 

そしてここからシルバーコレクターの道を歩みます。

葵Sの2着を皮切りに、アイビスSD2着、北九州記念3着、セントウルS2着と

勝ちはないものの2着で賞金を加算します。

そしてG1スプリンターズSに挑戦です。上記の成績を挙げながらも11番人気と

全く期待はされませんでした。

しかしここでもラブカンプーは激走します。

いつもと違い逃げ馬の2番手を追走し、残り100mで先頭に立って押し切りをはかるも、

ゴール前でファインニードルに差されて2着でした。

 

勝ち鞍は3歳500万のかささぎ賞のみでしたが、

重賞でG1を含む3回の2着と、充実の3歳シーズンを終えます。

 

 

・歯車が狂った4歳

4歳の初戦はシルクロードSに挑むも、2番人気18着と大敗。しんがり負けでした。

負け方は相当なものでしたが、この時はまだたまたまの凡走と思っていました。

しかし続くオーシャンS高松宮記念でもしんがり負け。完全に歯車が狂いました。

 

ここで立て直すために4ヶ月の休養に入ります。

しかし、アイビスSD北九州記念セントウルSスプリンターズS

同様のローテで挑みますが全て10着以下の大敗。

さすがにこれでは「終わった馬」と認知されました。

 

昨年はスプリンターズSの後は休みましたが、

結果が出なかったためか、その後も出走を続けます。

しかし、重賞はおろかリステッドでも大敗を繰り返しました。

牝馬であるためこれで引退はほぼ確実ではないかと考えていました。

 

 

・突然の復活勝利

繁殖牝馬になるのかと思っていましたが、5歳になっても現役を続行します。

それでも4歳からの負けの連鎖は終わりません。

時にはダート戦にも挑戦しましたがやはり大敗。

そうこうしているうちに繁殖シーズンは終わり、

2020年も現役でいることがほぼ決まりました。

 

そして迎えたCBC賞

3歳時の実績には見合わない51kgのハンデで出走となりましたが

単勝13番人気と完全に舐められていました。

 

しかし、近走ではイマイチだったスタートを決めてあっさりと逃げると、

いつもなら失速する直線でも後続を引き離してなんと1着

これには普段冷静なラジオNIKKEIの実況も

「復活のゴールイン!!」

と興奮を隠しきれませんでした。

 

終わってからですが、前走オープンの韋駄天Sでは7着で

それまでより着順や着差が悪くなかったのは、復活の兆しだったのかもしれません。

それでもここで勝つのは予想が出来ませんでした。

なんせ15走連続で掲示板(5着以内)にも入れなかったのですから。

 

馬券内は2018年9月のスプリンターズS以来1年10ヶ月ぶり。

勝利は2018年2月のかささぎ賞以来2年5ヶ月ぶりでした。

大変長いトンネルを抜け出しました。

 

 

・斤量の恩恵なのか、それとも?

客観的にラブカンプーの復活の要因を単純に考えると、

斤量が大きく関わっていると考える人が多いでしょう。

 

3歳時は軽い斤量で出走できますので、

アイビスSD北九州記念では51kg、スプリンターズSでも53kgでした。

4歳になると定量戦では54kgか55kg。

ハンデ戦でも3歳での活躍で57kgでの出走が多かったです。

 

しかし4歳の大敗続きで5歳ではハンデが軽くなりました。

そしてオープン馬のハンデの底とも考えられる51kgでの出走になったのです。

CBC賞は前述の通り逃げての勝利で、軽斤量馬が逃げて穴をあけるのは

ハンデ戦ではよくある光景です。

 

なので復活は斤量の恩恵だと見る人は多いでしょう。

この勝利でハンデ戦では斤量が増えますから、

次走以降が真価を問われるでしょう。

 

ですが、いつもならズルズルと失速する直線で

他を寄せ付けない勝利は圧倒的で

今後の走りにも期待を持っています。

 

 

・血統は地味ながら究極のスプリンター

ラブカンプーの血統を見てみます。

 

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血統情報:5代血統表|ラブカンプー|JBISサーチ(JBIS-Search)より。

 

ラブカンプーは父ショウナンカンプ、母ラブハートという血統です。

日本競馬を代表する血統であるサンデーサイレンスが入っておらず、

あまり日本の主流ではありませんので

失礼を承知で言えば“地味”な血統と言えます。

 

しかし、この血統表には大きな特徴があり、それは

スプリンターにスプリンターを掛け合わせた究極の短距離血統

だということです。

 

ショウナンカンプ高松宮記念を勝利したスプリンター。

その父サクラバクシンオーは歴代でも1位2位を争う名スプリンター。

そして母ラブハートも勝ち鞍は1200mのみ。

母父マイネルラヴスプリンターズSを勝利したスプリンター。

そりゃ子供もスプリンターになりますよねという血統です。

 

社台グループ、特にノーザンファーム

重賞の上位をほぼ独占しているような状況ですが、

そのノーザンファームがあまり力を入れていないのがダート戦と短距離戦です。

なのでハナから“穴場”の短距離を狙った配合は賢い選択だと思います。

 

 

・最後に

今回の復活劇は、必ず復活すると信じて疑わなかった馬主、調教師の努力の賜物です。

普通の馬主や調教師であればとっくに引退しているでしょう。

 

もちろんトレセンでの動きで何か感じるものがあったのだと思いますが

大敗を続ける馬を持ち続けるのは難しいです。

 

競走馬の維持にはトレセンなら月50〜60万程度かかります。

賞金が全く稼げなければお金だけ減っていくのです。

それでも現役を続けた根気には脱帽です。

 

私が好きなノンコノユメも復活には1年かかりました。

こちらで熱く語っています

 

信じていればいつか復活するとは軽々しく言えないかもしれませんが

好きな馬が大敗して「もう終わった」と言われても追いかけ続けて、

復活した時の感動は喩えがたいものです。

 

好きな馬がいるなら最後まで追いかけ続けてみてください。

きっと競馬がさらに好きになるでしょう。