RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

ビジネスジャーナルがアホな記事書いていたので、猛反論しつつグレードの仕組みを書いておく

 

長くなってしまいましたが、

書きたいことを全部タイトルにしました。

 

アホな記事というのは、だいぶ前になるのですがこれです。

JRAアーモンドアイ8冠達成に「疑問」の声続々……天皇賞・秋「忖度は」「牝馬限定戦は」「海外は」見直されるべき「8冠の定義」 - GJ

 

要約すると

・アーモンドアイの8冠はインチキだ。

牝馬限定G1を数に入れていいの?

・海外G1はなんで数に入れるの?

・ウィンクスはオーストラリアでG1を25も勝ってるけど

 勝ちやすいG1なら数が多くなっちゃうじゃん。

・8冠目の天皇賞秋は12頭立て、大したメンバーじゃない。

・8冠の定義を見直すべきだ。

と言っている識者やファンがいるそうだ。

 

まず、そんなこと言っている識者やファンを一人でも連れてこいって話で

決して自分の意見では無いことにしているのは随分と卑怯です。

いつもビジネスジャーナルは競馬に興味も無いくせに競馬にケチをつけます。

 

そこの感情論はひとまず置いておいて、

なぜアーモンドアイの8冠は正当なのかまとめておきます。

 

 

グレード制のお話

ビジネスジャーナルはG1のことを各国が勝手に決めたものと

勘違いしているみたいですが、グレード制は国際基準です。

(その基準が正しいかは置いておいて)

 

最も正確に、詳細に書いてあるのはWikipediaだと思います。

Wikipedia; 競馬の競走格付け

しかし、これを全部読んで理解するのは難しいので、

東洋経済のもう少し簡易的に説明した記事も載せておきます。

競馬「GⅠレース」が別格の興奮を呼ぶ理由 | 今さら聞けない競馬のキホン | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

ここからの話は完全に正確では無いかもしれないことをご承知おきください。

 

簡単に言えば日本は世界の競馬を格付けする

「国際セリ名簿基準委員会」のパートⅠ国に指定されており、

例えば近年で大阪杯ホープフルSがG2からG1になりましたが、

それは出走馬のレーティングが一定基準を超えていたため可能なことでした。

 

つまり日本を含めた各国が、これはG1だ!

という感じに決めてG1を増やすことは出来ないのです。

ちゃんと出走馬のレーティングを見ています。

 

よく3歳馬のダートの重賞が足りないと言われますが、

それはヒヤシンスSなどのレーティングが足りないんです。

 

今まで日本ではありませんでしたが、

ヨーロッパではG1のレーティングが足りなくてG2になってしまうこともあります。

 

ここではひとまず

「G1はちゃんと国際的に認められている」

ことを理解いただければOKです。

 

 

牝馬限定G1を否定するのは論外

ビジネスジャーナルは牝馬限定G1が嫌いなようですが、

何がいけないのかわかりません。

今年のドバイミーティングが中止になり、

ヴィクトリアマイルに出て、楽勝すぎたのが不満のようですが

出れるレースに出て何が悪いのでしょうか?

 

特に春先のレースなんて牝馬はフケが出ることもしばしば。

(逆に馬っけを出す牡馬もいますが)

 

馬はそんなに簡単なものじゃないです。

だからこそ牝馬限定戦がある面もあります。

(もちろん実力面の考慮もありますが)

 

牡馬は牝馬限定戦に出れないのに、牝馬は混合戦を含めて

レース選択の幅が大きいのはその通りですが、

牝馬が混合戦に出ることを簡単に捉えすぎです。

 

 

・海外G1やJpn1の話

上記の通り、G1は国際基準で決まるものですから、

当然海外でも同じことです。

 

アーモンドアイはドバイターフを勝っていますが、

当然、国際基準で認められたG1なので、カウントして大丈夫です。

以前、Twitterで某競馬予想家が海外の主要G1と

主要じゃないG1を自分で勝手に区別していましたが

そんな区別はありません。

賞金の違いはあっても、G1は同じG1です。

 

一方、地方交流重賞でJpn1〜3の表記をよく見かけます。

これは国際グレードを獲得していないレースです。

(唯一、東京大賞典はG1)

なのでJpn1をたくさん勝っても◯冠というようにはならないのです。

コパノリッキーはG1を3勝、Jpn1を8勝の計11勝をしており、

G1+Jpn1の勝ち数で言えばナンバーワンですが、

G1はフェブラリーSの2勝と東京大賞典の1勝なので

グレード制の冠数で言えば3冠なのです。

 

ダートは日本では、G1がフェブラリーSチャンピオンズカップ東京大賞典

しかありませんので、そんなにG1のみの勝ちを稼ぐことはできないので

どうしてもこうなってしまいます。

 

 

・G1の頭数なんて欧州の方がひどい

そして8冠目の天皇賞・秋が12頭立てだったことにケチをつけていますが、

メンバーの質的にはG1馬が十分揃っていましたし、頭数が少ないのは

アーモンドアイの責任ではありませんし、それだけ強さを感じるからこそ

フルゲートにならなかったのだと思います。

 

欧州なんて相手関係や馬場を見て、

回避するのは当たり前のように行われており、

エネイブルが勝ったG1の中には3頭立てや4頭立てのレースもありました。

それでもG1の勝利数にカウントして問題ないと思います。

(そんな競馬が面白いかというのは別の話)

 

そんな欧州の現状に触れずに、12頭立てのレースだけ批判的に話すのは

非常にアンフェアであると言えます。

 

 

・まとめ

以上によりアーモンドアイの8冠はインチキでもなんでもなく、

正当な8冠であることがわかると思います。

 

競馬ファンであればビジネスジャーナルはアホだなあで済みますが、

あまり競馬に詳しくない人が見たらアーモンドアイが隙間産業で

8冠を取ったかのような印象を持ってしまうかもしれない記事です。

あんな記事を無責任に書くのなら、二度と競馬の記事を書くなと言いたいです。