RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

日本ダービー予想【2021年】

 

早いものでもう2021年の日本ダービーですよ。

毎週競馬のことを考えているとあっという間でした。

 

先に言っておきます。

本命はエフフォーリアではありません。

むしろ低評価です。

 

 

・出走メンバーと枠順

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なんと言っても無敗の皐月賞馬エフフォーリアが1枠1番に入ったことは

競馬関係者、競馬ファンが少しざわつきました。

というのも、ダービーで1枠は超有利とされているからです。

(詳しくは後述します)

そのほかのメンバーは、ウオッカ以来の牝馬でのダービー制覇を目指すサトノレイナス

驚異的なタイムで毎日杯を制したシャフリヤールや青葉賞勝ち馬のワンダフルタウンなど

皐月賞以外のレースを使った馬が人気になりそうです。

皐月賞に出ていたメンバーは勝負付けが済んでいると思われているのがわかります。

あれだけエフフォーリアが圧勝すればそりゃそうですが。

 

 

・ダービーの2大格言

日本ダービーには、競馬ファンなら誰でも聞いたことがある格言が2つあります。

▪️1枠(白帽子)が非常に有利で、何も考えずに買っておけ。

▪️乗り替わりは勝てない。

これは2つとも理にかなった根拠があります。

 

簡単に言ってしまえば、1枠が有利なのはダービーの開催週から

Cコースに変更されるためです。

内側に仮柵が設置され、内の芝が外と同様に綺麗なので

通常の競馬の内外メリット/デメリットである

内:距離ロスはないけど芝状態が良くない

外:距離ロスはあるけど芝状態が良い

というバランスが崩壊して、内だけ利点を丸儲けしているわけですね。

しかもダービーは3歳馬には長丁場に感じられる2400m。

余計に距離ロスの有無は結果につながりやすいです。

 

そして乗り替わりが勝てないというのは、

多くの馬にとって初経験の2400mでは折り合いが重要で、

当然ながら継続騎乗だとその馬と折り合えるコツを把握できているということです。

 

皐月賞馬エフフォーリアは有利な1枠1番をゲットしており、

鞍上はこれまでの全4戦で手綱を取っている横山武史騎手。

これだけ見るとエフフォーリアは堅いと思うかもしれません。

ですが私はそう考えていません。

 

 

・“人気馬”が1枠に入るとどうなるか?

突然ですが、ダービー関係なく

「競馬はなぜ1枠が断然有利ではないか」

を考えたことがありますか?

 

例えば競艇。あれは1号艇が断然有利ですよね。

勝率にも1号艇の有利がはっきりと表れています(50%くらいらしいです)。

ですが競馬は全レースの枠順別成績を出しても、

芝では内枠が有利な傾向があるものの、そんなに顕著にはならないです。

しかも1枠がベストではなく、2枠が最も勝率が高くなります。

 

「いや、お前ちょっと上に、内は芝の状態が良くないっていう

 デメリット書いてるやんけ、それが原因やろ」

と思うかもしれません。

しかし各競馬場の開幕週で見ても、1枠が断然有利な傾向はありませんし、

1枠なら買えという格言はダービーでしか聞いたことがありません。

 

ではなぜ競馬では1枠がちょっと有利な程度なのか?

それは単純に頭数が多いからです。

頭数が多いから馬群で固まった時に包まれやすいですし、

包まれた時にかかったり嫌気を出したり、

それが無くても最後の直線で他馬に塞がれて前が開かなかったりするわけです。

 

「そんなの当たり前だろ、わかってるよ!」

と思うかもしれません。しかし、みなさんどうでしょう。

1枠1番にエフフォーリアが入ったのを見て

「これはエフフォーリアが確勝だな」

と思っていませんか?

 

何が言いたいかというと、人気馬が最内枠に入ると

・包まれやすい

・マークが容易になる

・直線で進路をブロックされやすい

という三重苦なのです。

エフフォーリアも間違いなくこの三重苦から逃れられません。

(その名の通りハナに立って逃げでもしない限りは)

 

これがもし中枠なら進路の選択が内にも外にもあるので、

人気馬のように実力が上位であれば

展開がベストで無くても能力のまま押し切ることができます。

しかし、内枠だと進路の選択、タイミングがかなり限定されるのです。

 

過去のダービーで見ても、人気馬が1枠に入ると

あまり良いことは起こっていません。

 

2018年は1番人気ダノンプレミアムが1枠1番に入り、

道中は3,4番手を追走し、直線では外に出そうとすると

コズミックフォースに完全にブロックされました。

結果は6着でした。

 

2016年も1番人気ディーマジェスティが1枠1番でした。

おそらく鞍上の蛯名騎手は馬群に入ることを嫌ったのでしょう。

1番枠にも関わらず、最初から後方の外を回していきました。

直線でも馬場の真ん中を通って伸びるものの、

前を行くマカヒキサトノダイヤモンドを捕らえられず3着でした。

 

「いや、ワンアンドオンリーキズナが勝っているじゃないか!」

というツッコミが来そうですが、

ワンアンドオンリー弥生賞2着→皐月賞4着という成績ながら

3番人気になったのは枠順補正の感があり、レースでも道中は

1枠1番のサウンズオブアースの外を追走することができ、

ワンアンドオンリーは1枠2番)

直線に入ると誰もマークしていないのかぽっかりと前が開いていました。

 

キズナはスタートを出なかったこともありますが後方からのレースに。

大外から差し切る豪快な競馬で勝ちました。

キズナだからできた芸当です。

エフフォーリアは先行して押し切るタイプのため

キズナの例は1枠1番から勝つレース運びの参考にはなりません。

 

つまりダービーの1枠の有利という格言には

「マークされないことが前提」

というただし書きが追加する必要があるのですね。

 

「1枠でロジャーバローズが勝ったりサトノラーゼンが2着に来てるくらいなら

 エフフォーリアのような能力上位馬が1枠なら勝利間違いないだろう」

というのは違うのではないかと考えています。

 

上記の過去のダービーのパターンだと、

エフフォーリアと脚質が近いのはダノンプレミアムです。

 

確かにダノンプレミアムはダービーで手応えもあまりありませんでした。

しかし、手応えがあったとしてもどこでどう1〜3着を抜かしていたかというと

やっぱり1着のワグネリアンの外から追いかける形になるのです。

それは2〜3頭分外に出さないといけなかったわけで、

直線のトップスピードに乗せたい場面でそのロスは厳しいです。

 

エフフォーリアも同じようなことになり、

良くて3着の競馬になるではないでしょうか?

 

ましてや急成長と言えどもまだまだ経験の浅い横山武史騎手。

過去3年の東京2400mの成績は1−0−0−18です。

平場を含めても過去3年で東京2400mでたった1回しか馬券に絡めていないのに

最内枠からの難しい選択を場面場面で迫られるレースをするわけです。

横山武史騎手を貶すわけではないですが、経験不足が露呈するレースになりそうです。

 

枠順確定前は

「1枠か8枠以外ならエフフォーリアに本命を打たざるを得ないな」

と考えていましたが、まさかの1枠。

本命は別の馬から考えることにします。

 

 

・ダービーは末脚の使える馬が先行して勝つレース

「ダービーは末脚の使える馬が強いけど、ダービーでは先行する」

これが勝ち馬予想のポイントだと考えています。

 

過去のダービーの勝利馬を振り返ってみると見えてきます。

過去5年のダービー馬と4角での位置を記します。

2020年:コントレイル(4角4番手)

2019年:ロジャーバローズ(4角4番手)

2018年:ワグネリアン(4角4番手)

2017年:レイデオロ(4角2番手)

2016年:マカヒキ(4角8番手)

 

マカヒキは中団くらいですが、18頭立てで8番手なら半分よりは前です。

そしてロジャーバローズ以外はその前のレースまでは

後方から末脚を使うタイプであったことが共通点です。

コントレイルとワグネリアンが2歳時にものすごい末脚を使っていたことは

記憶に新しいと思います。

 

先述した通り、ダービーは乗り替わりが勝てないレースとして知られています。

それはどれだけ腕の良い騎手でも、3歳のまだ若い差し追い込み馬を

テン乗りで先行させることは困難だということです。

 

以上の話をまとめると

「末脚が強烈な馬の中で、継続騎乗で馬のクセを熟知している」

が本命馬候補なのですが、今回のメンバーでは1頭しかいません。

 

サトノレイナスです。

 

彼女をダービーの本命にします。

もともとサトノレイナスのダービー参戦発表時は

オークス行ってくれたら単勝たんまり買うのになぁ。

 ダービーは牡馬ばっかりだし色々厳しいんじゃない?」

と考えていました。エフフォーリアは強いですし。

 

しかし、サトノレイナスを買うとしたら外枠で、

外であればあるほど良いと考えていました。

 

なぜ不利な外枠が良いと思ったかと言いますと、

3歳の牝馬ですので馬群で牡馬に囲まれると精神的に厳しいと思っていたからです。

それでも外枠なら相手やヒモで考えようかなという程度です。

 

ですが、先週や本日土曜日の競馬を振り返ってみると、

5月に比較的雨が多かった影響か、例年よりも外差しが効く馬場だなと感じました。

それなら好走パターンは2400mだとしても外目追走で

直線で馬場の真ん中を通っていくことではないでしょうか?

そう考えるとサトノレイナスの8枠16番は

単純な枠の有利不利の面でもマイナスではないと考えます。

 

エフフォーリアが1枠に入ってサトノレイナスが外枠に入る。

これしかサトノレイナスを本命にするパターンはありませんでした。

 

しかしそれが起きてしまいました。

今年はウオッカ以来の牝馬のダービー馬を見届けることにしました。

 

 

・各馬寸評

本命馬は先述しましたが、各馬の評価は記します。

総合評価のA〜Dの意味は以下の通りです。

A:本命候補

B:相手には抑えておきたい

C:穴党、点数に余裕ありなら抑えたい

D:買えない

これは実際の印と買い目とは異なります。

馬券を買う時は点数を絞るのでこの通りには買いません。

 

前提として、さすがにダービーですので調教は皆良いです。

調教の善し悪しでは買い目を決めることはできませんでした。

 

①エフフォーリア

総合評価:C

前述の通り、評価は控えめにしました。

枠順がエフフォーリアのような先行タイプの人気馬には最悪です。

しかし能力はナンバーワンでしょう。

3〜5枠あたりなら、他馬の枠に関係なく迷わず本命にしていました。

 

②ヴィクティファルス

総合評価:D

「ダービーの1枠は考えずに買っておけ」に該当する馬。

春4戦目でこれまでのレースを全て仕上げてきているので、

余力があるようには思えない。

格言を守りたい方以外にはおすすめはできない。

 

③タイムトゥヘヴン

総合評価:D

昨年11月のデビューからまともに休むことなくダービーまでたどり着いた。

非常に素質が高い馬だと思うが、もうお釣りがなくここでの好走は厳しい。

じっくり休んでから秋の走りを楽しみにしておく。

 

④レッドジェネシス

総合評価:C

ディープインパクト、母父Storm Catだけ見ると、

いかにもダービーに強そうな血統だが、

この馬は母母父がSadler's Wellsなのがポイント。

日本でRobertoと並んで欧州色を強く出す血。

だから3歳春にしてはタフな2200m以上で連勝しているのだと思う。

ダービーではスピード不足感はあるが

3着以下がみんなバテたらやってくるのはこの馬。

菊花賞では有力馬の1頭になると思う。

 

⑤ディープモンスター

総合評価:D

素質の高い馬だが、体調管理に苦しんでいる様子。

体調に不安を抱えながらG1で通用するのは超名馬だけ。

 

⑥バジオウ

総合評価:C

さすがに勝ち切るイメージはないが

ノーマークをいいことに内からするすると3着はあり得ると思う。

2018年の3着コズミックフォースのイメージ。

 

⑦グラティアス

総合評価:B

前走の皐月賞は全く展開に恵まれず、不利もあった中、

2着馬と0.2秒差の6着に来た。

ハーツクライ産駒は東京が得意な傾向があるので

相手候補ではあると思う。

消耗の少ないローテも魅力。

 

⑧ヨーホーレイク

総合評価:D

末脚を使える馬だが、川田騎手乗り替わりで

折り合って先行できるとは思えない。

結構前目にはつけるのだと思うが

強引な先行策になり直線で失速するのが想像できる。

 

⑨ラーゴム

総合評価:D

能力ももうひとつ足りていない感があるが、

さらに乗り慣れた北村友一騎手からの乗り替わりも痛い。

 

⑩シャフリヤール

総合評価:B

少し評価が難しかったが、潜在能力と前走のパフォーマンスを買った。

気になるのはアルアインの全弟だということ。

アルアインは東京で全くパフォーマンスを出せなかった。

ただし、アルアインは500kg超えの大型馬であったが

この馬は450kgくらいの比較的小柄な馬なので

タイプは違うかもしれない。

 

⑪ステラヴェローチェ

総合評価:B

ダービーか皐月賞と言われたら、皐月賞向きっぽい。

皐月賞で3着だったのだから、ダービーは着順が落ちると思うかもしれないが

ペースが速いほどいいタイプで、今年はマイラーの逃げ馬バスラットレオン参戦で

ペースが速くなることが予想され、それなりに向くのではないか?

 

⑫ワンダフルタウン

総合評価:C

前走はなんとか押し切って勝利したが、ここではメンバーレベルがぐんと上がる。

長期休み明け2戦目で状態は上向くと思われるが、

調教を見ると最終追い切りをCWでみっちりと急仕上げ感は否めない。

 

⑬グレートマジシャン

総合評価:A

実はもう少し内に入ってくれたら本命にしていた。

前走までは調教もそんなによく見えなかったが

それでも毎日杯でクビ差2着に来た。勝ち馬とは進路の差だと思う。

そしてここにきて状態の良さが調教にも表れている。

非常に期待している。

 

⑭タイトルホルダー

総合評価:B

単独の逃げなら厳しかったが、バスラットレオンの参戦で

一頭大逃げさせて離れた2番手が実現するとかなり面白い。

逆に競ってしまうといくら皐月賞で逃げ馬と競るような先行をしたと言っても、

2400mを押し切るのは厳しい。

 

⑮アドマイヤハダル

総合評価:D

最終追い切りでハプニングがあったようで、

騎手騎乗の追い切りの後すぐに助手騎乗で坂路を強めに追ってきた。

ダービーに挑むのに陣営と騎手の意思疎通が出来ていないなんて

本当にひどい話だと思う。そんな馬がダービーでは通用しない。

 

⑯サトノレイナス

総合評価:A

先述の通り本命馬。状態も前走以上だと思う。

 

⑰バスラットレオン

総合評価:D

チャレンジは否定しないが、坂路で50秒台を出せるほどの

マイラー色、いやスプリント色が強くなってきた馬を

いきなり2400mのダービーに出すのは疑問がある。

逃げると思うが、ペースは緩められないと思う。

 

 

・印と買い目

散々語ったのでここではコメント無しです。

 

◎ ⑯サトノレイナス

◯ ⑬グレートマジシャン

▲ ⑪ステラヴェローチェ

△ ①エフフォーリア

△ ⑥バジオウ

△ ⑦グラティアス

△ ⑩シャフリヤール

△ ⑭タイトルホルダー

 

▪️単勝

 

▪️ワイド流し

⑯ー⑪⑬

 

▪️3連単フォーメーション

⑬⑯→⑪⑬⑭⑯→①⑥⑦⑩⑪⑬⑭⑯

(ダービーなのでちょっと多めの点数)