POG2022−2023に向けた、主要種牡馬の考察
遅くなりましたがPOG対策の記事です。
すでに始めていますが、当ブログでは2歳新馬戦の予想もできるだけしていこうと思います。
(2歳新馬の予想をしたときには、重賞予想はお休みします)
今回はPOGに向けて、主要種牡馬にはどんな血統が合うか?などのポイントを考えてみます。
特に今年は長年2歳リーディングのトップを走ってきたディープインパクト産駒がほとんどいません。
(今年は6頭のみで、来年には完全にゼロになります。)
さらにキングカメハメハ産駒も今年はゼロと、大きな転換期を迎えています。
こういった状況ですので、
・どういう種牡馬の産駒を選べば良いか?
・その種牡馬にはどういう母馬との相性が良いか?
を見極めることが、POG攻略に最も重要と考えます。
血統はそこまで詳しくない私の考えですので、厳密には間違えていることもあると思いますが
できるだけわかりやすく説明させていただきます。よろしくお願いします。
なお、昨年までもPOGの攻略記事を書いておりますので、そちらもご参照ください。
- ロードカナロア
- キズナ
- ハーツクライ
- エピファネイア
- ルーラーシップ
- オルフェーヴル
- ダイワメジャー
- ドゥラメンテ
- モーリス
- ハービンジャー
- ゴールドシップ
- ドレフォン
- キタサンブラック
- サトノダイヤモンド
- リアルスティール
- サトノクラウン
- POGを始めてみましょう
ロードカナロア
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎今年の2歳馬は繁殖牝馬のレベルが最高?
◎母は欧州系の重厚な血統がオススメ
◯サンデーは持っていても持っていなくても
△母が米国系だと短距離に出やすい
キングカメハメハの後継種牡馬として最も期待されている(されていた)のがロードカナロアです。
初年度から史上最強牝馬アーモンドアイを輩出し、2年目にも皐月賞馬サートゥルナーリアを出しました。
種付け料もぐんぐん上がり、一時期は2000万円まで達しました。
しかし3年目と4年目の産駒は3歳で全くといっていいほど活躍が出来ず、このままではロードカナロアは種牡馬としての危機ではないかと思いましたが、今年の3歳はNHKマイルカップを制したダノンスコーピオンを筆頭に3頭の重賞勝ち馬を出しています。
急に成績が上昇したのは、今年の3歳は2019年生まれであり、
2018年春のアーモンドアイの活躍を見て質の高い牝馬が集まったためと考えられます。
では、今年の2歳世代はどうでしょうか?
2020年生まれは2019年の種付けであり、前年のアーモンドアイの大活躍でさらに人気になっています。
さらにはサートゥルナーリアの活躍も見ていますので、初年度を除いて最も質の高い牝馬が集まったはずです。
今年のPOGはロードカナロアを積極的に狙ってみてもいいかもしれません。
配合のポイントは欧州系か米国系か、です。
例えばSadler's Wellsのような欧州系の重厚な血統を持っていると、距離も2000m前後持つことが多いようです。
逆に米国系のスピード色が強い血統を母に入ると、短距離志向が強くなります。
あえて函館2歳や葵Sを狙った指名であれば別ですが、POGの王道レース向けには母に欧州系の血統を持つことをおすすめします。
なお、サンデーサイレンスについては、初年度や2年目こそサンデーサイレンス持ちの活躍馬が目立ちましたが、近年はサンデーサイレンスを持っていないダノンスコーピオンやパンサラッサといった活躍馬も出てきました。
あまりこだわる必要はなさそうです。
キズナ
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎勝ち上がり率は非常に高い
◎Nothern Dancerのクロス
〇サンデーサイレンスクロスというよりHaloクロス?
△大物は少ないかも?
×Storm Catクロスはほとんど見ない
キズナ産駒は勝ち上がり率が高いのが大きな特徴です。
2歳時点で30%近く、ダービーまでに40%近くが勝ち上がります。
これはロードカナロアよりも優秀です。
堅実に勝ち上がってくれるのはPOG面で嬉しい反面、これまでG1勝ちは古馬含めてもアカイイトのエリザベス女王杯のみで、大物が少ない懸念はあります。
それでも毎年POG期間内に重賞勝利はありますから、全くPOGでは微妙という話ではないです。
血統面で注目はNothern Dancerです。キズナ自身がNothern Dancerの5×4を持っていますが、さらにNothern Dancerが入って6×5×4(5)のような、一見Nothern Dancerが多すぎる構成の馬の活躍が目立っています。
(※ただしノーザンテースト由来のNothern Dancerはビアンフェくらいしか活躍馬はいないので注意)
サンデーサイレンスについてはロードカナロアと同様に必須とは思いませんが、3×4または3×3を持った馬にも重賞勝ち馬は出ています。
キズナ産駒の代表馬であるディープボンドはサンデーサイレンスクロスではなく、キングヘイロー由来のHaloクロスがあります。
サンデーサイレンスは父Haloなので、サンデーサイレンスのクロスがあるということはHaloもクロスしています。
サンデーサイレンスのクロスというより、Haloのクロスが好相性であり、Haloのクロスを入れるための手段がサンデーサイレンスなのかもしれませんね。
なお、これはキズナ産駒だけでなくロードカナロアなどにも言えることですが、Storm Catのクロスを持つ活躍馬というのはかなり少ないです。JRAのオープン馬もいることはいますがダート単距離馬がほとんどです。
POGでは避けた方がよい配合でしょう。
ハーツクライ
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎ディープインパクト、キングカメハメハの代わりに繁殖が回ってきた可能性高い。
◎Danehill、Seattle Slew(Bold Reasoning)、Never Bendが好相性
◎牝馬はNever BendかBold Reasoningが必須
〇トモがしっかりしていればかなり強い
△しかしトモが緩い産駒が多く、マイル重賞や皐月賞で不利
△当たりはずれが大きい種牡馬
2022年のダービー馬ドウデュースを輩出したハーツクライ。他にもダービーで1番人気だったダノンベルーガもおり、2021-2022のPOGではハーツクライ産駒は当たり年でした。
2020年の種付けをもって種牡馬を引退し、現1歳世代が最終産駒となります。
現2歳世代を種付けした2019年はディープインパクトが体調不良でわずか20頭の種付けのみとなり、キングカメハメハも種付けをしませんでした。
当時はまだロードカナロア産駒が活躍を見せていた程度で、エピファネイア産駒やキズナ産駒はデビュー前です。
ディープインパクトやキングカメハメハに種付けをする予定だった優秀な繁殖牝馬が、相当数回ってきている可能性があります。
ハーツクライ産駒の難点は2つあり、1つ目は活躍しない年が結構あることです。
現3歳世代のように当たり年もあれば、POG期間で重賞未勝利もざらにあります。
POG的には結構当たりはずれに波のある種牡馬かなと思っています。
ちなみに2018年はタイムフライヤーがホープフルSを勝ちましたが3歳では微妙で、2019年はPOG期間の重賞勝ち馬がいませんでした。
現2歳世代を種付けしたのは2019年であり、当時の生産者はハーツクライにあまりいい印象を持っていなかった可能性もあります。
もう1つの難点は3歳時点ではトモの緩い産駒が多いことです。
トモが緩いためマイル重賞や小回りの皐月賞では活躍がしにくいです。
しかしこれは逆に言えばトモの緩さを見せない産駒は非常に強いことを表しています。
サリオスやドウデュースはマイルでも皐月賞でも活躍しました。
血統面ではDanehill、Seattle Slew(Bold Reasoning)、Never Bendあたりが好相性のようです。
Storm Catもいいですが、G1級となると今のところはいないようです。
特に牝馬はNever BendかBold Reasoningが活躍馬には必須と言えるほどです。
エピファネイア
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎3年連続でG1馬が出ている
◎必須ともいえるサンデーサイレンスの4×3または4×4
△2歳勝ち上がり率は少し低め
初年度産駒から三冠牝馬デアリングタクトが生まれ、2年目に年度代表馬エフフォーリア、3年目にも阪神JF勝ち馬サークルオブライフと3年連続でG1馬が出ています。
とにかく”ホームランが打てる”のは魅力で、POGの面でも大物が含まれていると考えるとワクワクするのがエピファネイア産駒と言えます。
一方で2歳勝ち上がり率は少し低めで、先に紹介したロードカナロアやキズナにはかないません。POG指名は堅実派という方にはあまりオススメは出来ません。
血統面は何と言ってもサンデーサイレンス。現オープン馬13頭全てがサンデーサイレンスの4×3を持っていました。
3勝クラスまで広げても、32頭中29頭がサンデーサイレンスの4×3または4×4を持っていました。これは異常とも言える数字です。
サンデーサイレンスのクロスが優秀ということもあると思いますが、サンデーサイレンスのクロスが発生するような牝馬は繁殖として優秀だということの表れではないでしょうか?
エピファネイア産駒は素直にサンデーサイレンスのクロスを持つ馬から選びましょう。
ルーラーシップ
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎活躍馬のほとんどがサンデーサイレンスを持ち
〇長い距離が得意
△POG期間の重賞馬は2頭のみ
×繁殖の質が下がってきているか?
ルーラーシップはサンデーサイレンスを持たないため、種牡馬入り当初はサンデーサイレンスを持つ牝馬と積極的に配合され、活躍馬のほとんどがサンデーサイレンスを持っています。
サンデーサイレンスと好相性というよりは、サンデーサイレンスを持つ母馬が繁殖として優秀だったものと考えています。しかし、サンデーサイレンスと特別相性が悪かったわけではないのはポジティブな要素です。
しかし、なぜサンデーサイレンスを持つ牝馬と積極的に配合されたかと言えば、種牡馬入り当初はサンデーサイレンスの孫・ひ孫にあたる種牡馬が少なかったため、サンデーサイレンス系の繁殖牝馬は配合相手の選定に苦労していた背景があります。
今はエピファネイアやキズナを筆頭に、サンデーサイレンス系繁殖牝馬の配合の選択肢は多様になってきました。
さらに血統がよく似たドゥラメンテはルーラーシップの強力なライバルでした。
今の種牡馬の状況は最初からわかっていたことですので、早いうちから産駒の結果が求められていました。
しかし、これまでの重賞勝ち馬は12頭で、G1勝利はメールドグラースとキセキの2頭のみです。
繁殖牝馬の質は年々下がってきていることが予想されます。
産駒の特徴としては長い距離が得意ということが挙げられます。
POG期間内に重賞を勝ったのはリオンリオンとワンダフルタウンの2頭ですが、どちらも2400mの青葉賞での勝利でした。
若駒は距離が持たないこともよくありますが、その不安が少ないのは良いことだと思います。
オルフェーヴル
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎キングカメハメハなど、Mr. Prospectorと好相性
◎意外とSadler's WellsやRobertoもいい
△晩成型が多いか?
×2歳勝ち上がり率はかなり低い
現役時代に圧倒的な強さを見せたオルフェーヴル。
大物は初年度産駒のラッキーライラックやエポカドーロ以降はあまり出せていませんが、コンスタントにPOG期間内の重賞勝ち馬を出しています。
しかし古馬になってからの活躍馬も多く、晩成傾向のある種牡馬です。
産駒の2歳勝ち上がり率はかなり低く、新馬戦ではオルフェーヴル産駒の馬券は買わないという人もいるくらいです。
逆に言えば、新馬戦で勝つようなオルフェーヴル産駒には期待が持てるということです。
血統面はキングカメハメハに代表されるMr. Prospectorが好相性で、オルフェーヴル産駒を選ぶときにはMr. Prospectorを血統表から探すことをオススメします。
さらに重厚感のあるSadler's WellsやRobertoも好相性です。
Mr. Prospectorはスピードを強化していると納得の配合でしたが、Saler's WellsやRobertoは底力を引き出すような血統なので意外でした。
父の長所を伸ばしていくような配合が良いのでしょうね。
ダイワメジャー
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎仕上がり早く、POG期間の重賞実績多い
◎大物にはSadler's Wells
◎Blushing Groomも好相性
△距離はマイルまで
ダイワメジャー産駒はとにかく仕上がりが早いです。
POG期間で重要な2歳重賞での実績が多数で、計算が立ちやすいです。
ただし、距離はマイルまでです。1800m以上の重賞勝ちがありません。
朝日杯FSとNHKマイルを勝利したアドマイヤマーズでも皐月賞は4着まででした。
その点だけは注意です。
血統面では、大物にはSadler's Wellsを持つ馬が多いことが挙げられます。
また、Blushing Groom持ちも好相性です。この2つの血には注目です。
ドゥラメンテ
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎Mr. Prospectorのクロスを持つ活躍馬が多い
◎米国系より欧州系の血統と相性が良さそう
初年度はPOG期間の重賞勝ち馬がタイトルホルダーのみとやや期待外れの感がありましたが、その後アリーヴォが大阪杯で3着と好走したり、現3歳からは二冠馬スターズオンアースが出るなど軌道に乗り始めたところでした。
しかし、ドゥラメンテは昨年の夏に急逝してしまいました。非常に残念でした。
血統面ではMr. Prospectorのクロスを持つ活躍馬が多いです。これはロードカナロアには見られなかった傾向であり興味深いです。
また、米国系より欧州系の重厚な血統を持つ馬に活躍馬が多いです。これはロードカナロアと同様です。
モーリス
Target frontier JVより引用
<ポイント>
〇サンデーサイレンスのクロスは必須ではないが、活躍馬も多い
△早い活躍を見せるのはマイル以下
モーリス産駒は母父ディープインパクトとの相性が抜群のようです。
というよりもディープインパクトを配合するような馬は血統背景も優れているということかもしれませんが、例えばエピファネイアなどと比べても活躍馬の多さが目立っています。
また、キングカメハメハとも相性が良さそうです。ディープとキンカメがいいというのは贅沢な種牡馬だなと思います。
エピファネイアと同様にサンデーサイレンスの4×3のクロスを容易に作れますが、エピファネイアほど必須というわけではなさそうです。
しかしながら母父ディープインパクトということはサンデーサイレンスの4×3になりますし、その他のサンデーサイレンスのクロス持ちの活躍馬は多いです。
モーリス産駒の注意点は、POG期間に活躍するような馬はマイル以下が多いことです。
ジャックドールやジェラルディーナなど、1800m以上でも活躍する馬もいますがそれはPOG期間後の話。
POG指名では1400m~1600mあたりに適性がありそうな馬がいいでしょう。
ハービンジャー
Target frontier JVより引用
<ポイント>
〇牡馬は持続力、牝馬はキレ
△生産側の評価が低いか?
ハービンジャーはサンデーサイレンスとNureyevを持つ牝馬との相性が良く、ディアドラ、ペルシアンナイト、ヒンドゥタイムズ、プレサージュリフトなどがいます。
産駒の特徴は、牡馬は欧州系らしくスピードよりも持続的な脚を使うことが多いです。
一方牝馬はキレる脚を使う馬も多く、牡馬と牝馬で特徴が異なります。
ハービンジャーの懸念は生産側の評価です。
昨年にハービンジャー産駒のG1馬のブラストワンピースとペルシアンナイトが引退しましたが、いずれも種牡馬入りすることが出来ませんでした。
これはハービンジャーの評価が低いことを端的に表しているように感じます。
生産者の評価が低い=良い繁殖が集まらない懸念があります。
ゴールドシップ
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎ビッグレッドファーム、コスモヴューファーム生産馬の本気度高い
◎Haloクロスが良さそう
〇アウトブリードもいる
△勝ち上がり率は低い
ゴールドシップはいわゆるマイネル軍団のビッグレッドファーム、コスモヴューファーム生産馬の成績が良いです。質の高い牝馬を集めているのでしょう。
配合面ではHaloのクロスが良さそうです。ユーバーレーベン、マカオンドール、ヴェローチェオロなどがいます。
また、ウインキートスやウインマイティーのように、5代血統表にクロスが発生しないアウトブリードの活躍馬もいます。
しかしステイゴールド系の宿命か、勝ち上がり率は低い種牡馬なので指名してもなかなか勝てないこともあり得ます。
ドレフォン
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎サンデーサイレンス持ちは芝適性がある
〇ディープインパクトとの”逆ニックス”もまずまずの実績
△サンデーサイレンスを持たない馬はダート寄りに
初年度からいきなりジオグリフが皐月賞を制し、上々のスタートを切れました。
米国血統であり、芝適性を疑問視する声も一部ではありましたが、サンデーサイレンス系の母馬との配合で芝での活躍馬が多数出てきています。
ドレフォンは父がStom Cat系で、母もVice Regent系と、ディープインパクトをはじめとするサンデーサイレンス系との相性が良い血統なので、サンデーサイレンス系種牡馬が今までやってきた配合の逆をやろうとしているのだなと思いました。
(手前味噌ですがドレフォン産駒の芝での活躍は予言していました。冒頭のリンクのPOG簡易攻略講座#2.5参照)
その母父ディープインパクトの成績もまずまずで、今後は大物が出る可能性もあります。
しかし、サンデーサイレンスを持たないと一気にダート適性になります。
POGではサンデーサイレンスを持つ母馬の産駒を選択するべきでしょう。
キタサンブラック
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎大方の予想を覆す活躍
◎欧州系の底力をプラスすると良さそう
◯ヘイロークロスもOK
△米国系はイマイチ
キタサンブラックは現役時代に圧倒的な成績を残しましたが、血統背景から種牡馬としてはあまり期待されていなかったように感じます。
しかしながら勝ち上がり率も上々で、皐月賞とダービーの両レースで2着のイクイノックスも出ました。これは期待以上の活躍と言っていいでしょう。
配合面は欧州系の底力をプラスすると良さそうです。
キタサンブラックといえば底力の塊みたいな競走馬でしたが、サクラバクシンオーの血が効いているのか、スピード系の種牡馬という印象です。
(だからこそ産駒が活躍しているのだと思います。スピード負けしませんので。)
なので米国系の血統よりも欧州系が良さそうです。
サトノダイヤモンド
ここからは新種牡馬の相性の良さそうな配合の予想です。
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎母は米国系、欧州系どちらもOK
◯おそらく牡馬が良い
△Haloはさすがにクロスしすぎ
サトノダイヤモンドは現役時代は菊花賞と有馬記念を勝ち、ディープインパクト産駒の中では比較的長めの距離が得意でした。
母父は欧州系のOrpenであるために底力があるタイプだったのだと思いますが、一方でOrpenは短距離馬なので、日本のスピードにも対応したのだと思います。
配合面では米国系でも欧州系でも両方OKなタイプだと思います。
ただし、距離適性は配合で変わると思います。米国系の母との配合ならマイルから2000mに出そうですし、欧州系の重厚な血との配合なら中長距離のタイプだと思います。
また、この記事で散々出てきているHaloのクロスですが、サトノダイヤモンド自身が3×4×5のHaloクロスを持っているため、母にも持つのはやりすぎかもしれません。
活躍する可能性はありますが、少し様子見をした方がいいと思っています。
牡馬と牝馬ではおそらく牡馬に活躍が偏るタイプだと思います。
なぜならサトノダイヤモンドは雄大な馬体が持ち味の馬でしたので、産駒も立派な馬体の馬が活躍しやすいと考えられます。
個人的には新種牡馬で最も期待しています。
リアルスティール
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎名牝系の種牡馬は活躍しやすい
◎NureyevクロスやSadler's Wellsと相性が良さそう
〇Kingmambo×Monevassiaの全兄弟クロスは吉と出るか?それとも?
△米国系の母との配合はダート単距離馬になりそう
リアルスティールは何と言っても良血です。
母ラヴズオンリーミーは繁殖牝馬としてとても優秀で、リアルスティールの全兄弟のラヴズオンリーユーのG1 4勝を筆頭に、中央でデビューした9頭中7頭が勝ち上がり、5頭がオープン馬というとんでもない成績を残しています。
こういった名繁殖牝馬を血統に持つ馬は種牡馬として活躍しやすいです。
エピファネイアやドゥラメンテ産駒の昨今の活躍を見れば、名牝が種牡馬の好成績につながりやすいことがわかるでしょう。
さらにリアルスティールの母母はMonevassiaという馬ですが、この馬は父Mr. Prospector、母Miesqueです。
これはキングカメハメハの父Kingmamboと同じ血統です。
つまり、Kingmambo(キングカメハメハ)を持つ牝馬とはMonevassiaとの全兄弟クロスが成立します。
一般的にこういった全兄弟クロス、3/4同血クロスといった兄弟の別の馬との組み合わせは有効なクロスと言われています。
これはクロスそのものが良いというよりは、そういった兄弟のクロスが発生するほど優秀な牝馬の要素が複数あることを意味しますので、先に申し上げたように名牝イコール好成績の方程式が成り立ちます。
しかし、KingmamboとMonevassiaの全兄弟クロスが有効かどうかは蓋を開けてみないと何とも言えませんが、大物が出る可能性はあると思います。
堅実に走りそうなのはNureyevのクロスやSadler's Wellsとの3/4同血クロスです。
リアルスティールは母父がStom Catなので、クロスに限らず欧州系の血が良いでしょう。
米国系の母との配合では、ダート単距離に出やすいと思います。
サトノクラウン
Target frontier JVより引用
<ポイント>
◎おそらくサンデーサイレンスが必須になる
△アベレージは低いタイプか?
サトノクラウンはサンデーサイレンスを持たない欧州系の父を持つ種牡馬なので、おそらく活躍にはサンデーサイレンスが必須になると考えています。
サンデーサイレンスだけでなく、米国系のスピードも足したいように見えます。理想はディープインパクト×Storm Cat持ちの牝馬ではないでしょうか?
しかしながら欧州系の種牡馬はアベレージがあまり高くない傾向もあるため、その点は注意が必要です。
POGを始めてみましょう
これまでたくさん種牡馬の紹介をしてきましたが、おすすめの指名馬の紹介はしません。
皆様で良いと思う馬を探してみてください。
ここでは血統の話を書きましたが、調教や馬体で探してもいいですし、単純に好きな馬にゆかりの馬を選んでもいいと思います。
POGは血統が全てではないですが、重要なファクターなのは間違いないです。
そして血統を理解する入口にはPOGがおすすめです。
活躍した馬は血統面にどのような特徴があるのか?を考えてみることで、馬券にも役に立つでしょう。
POGをやったことがなかった人も、ぜひPOGを始めてみましょう。