RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

競馬予想の方法を考える【#2 血統と調教の使い方】

 

競馬予想の方法を考えるコラムの第2回は

血統、調教といった馬柱の戦績にには出てこない、

予想ツールの使い方について考えてみます。

(馬体・パドックに関しては勉強不足のため、今回は書きません)

 

過去データを用いての予想についてはエントリーを改めます。

(次回#3で書きます)

 

 

 

・血統は初条件のレースで活きる

まずは血統について書きます。

 

先に血統予想のポイントをまとめておくと

① 初コース、初距離、初芝、初ダートといった初めての条件でこそ

  穴馬を拾うのも得意

② ◯◯産駒の回収率が高いといったデータは買い続けないといけない

③ 漠然と血統のデータを使うのではなく、理由を考える

 

 

① 初コース、初距離、初芝、初ダートといった初めての条件でこそ。

  穴馬を拾うのも得意。

競馬はブラッドスポーツと言われるように、

血統がその馬の個性に影響を与えているのは間違いありません。

 

ディープインパクト産駒の勝ち星が芝レースに偏っているのは

紛れもなく血統による影響でしょう。

父親で芝orダート、長距離or短距離くらいなら誰でもやっている血統予想ですが、

専門家になると最低でも5代くらいはさかのぼり、

ミスタープロスペクターニジンスキーダンチヒサドラーズウェルズ

といったような過去の名種牡馬の血を分析していたり、

もっとすごい人はナスルーラハイペリオンといった

いにしえの種牡馬を細かく分析されていることもあります。

 

私は血統の専門家ではありませんが、

血統は走っていない条件での適性を想像することに優れていると思います。

新馬戦や未勝利戦といったキャリアの浅い馬だけに留まらず、

重馬場や芝替わり・ダート替わり等、条件がガラッと変わる時に有効です。

基本的に初めての条件は走ってみないとわからないですが、

走る前から適性を見極めるのに血統を使うことができるのです。

走ってみてその条件に向いていることがバレてしまうと

次は人気になってしまいます。

 

また、能力は足りていなくても適性だけで上位に来るような

穴馬を拾うことにも向いているでしょう。

 

 

② ◯◯産駒の回収率が高いといったデータは買い続けないといけない

よく、◯◯競馬場で◯◯産駒をベタ買いすると単勝回収率、複勝回収率が100%超え

といったような話もよく聞きます。

これは単発で購入しても意味はあまり無く、ハズレても根気よく買い続けることで

プラスになるというものです。

その産駒がそのコースが得意な傾向があるのは間違いないのだと思いますが

あくまで3着内に来る確率が相対的に高いというだけの話であり、

必ず来るということではないということを改めて意識する必要があります。

 

なので、1度や2度、場合によっては何度も外れたとしても、

根気よく買わないとおいしい思いは出来ません。

 

 

③ 漠然と血統のデータを使うのではなく、理由を考える

そして、重賞レースにおいて、◯◯産駒は過去3着内に来たことが無い

といったデータの類もよく目にします。

これに関しては参考にしたとしても、あまり使ってはいけないデータだと考えています。

なぜなら重賞レースは強い馬が揃うので、“例外”を見つけるレースだと思うからです。

 

最近では皐月賞ハーツクライ産駒は0−0−0−9で一度も馬券内が無いので、

サリオスもマイラプソディも消しという予想をよく見ました。

結果論になってしまいますが、サリオスが2着となり

初めて皐月賞で3着以内のハーツクライ産駒となりました。

 

これに関しての理由の考察は様々だと思います。そもそも過去9頭だけでは

サンプル数が少ないという単純な理由かもしれません。

 

血統的な観点からの意見では、

坂上明大氏のYouTubeで納得のいく見解が述べられていました。

しかも皐月賞の予想の段階で話しています。

11:48あたりからです。

ハーツクライ産駒は皐月賞は成績が良くないのは、

 晩成型で若い時はトモが緩い馬が多いので後ろからの脚質で

 エンジンのかかりが遅い馬が多い。

 しかしサリオスはディンヒルの血が出ているのか追走スピードが速いタイプで

 典型的なのハーツクライ産駒とは違う」

ということでした。

 

漠然と血統データを使うのではなく、なぜそのデータになったのか

理由を考えられるといいと思います。

そうすると血統を使いながら例外も見つけられるでしょう。

 

ちょっと前はディープインパクト産駒は3000m以上の重賞が勝てないとも

言われていましたね。

その頃は菊花賞天皇賞・春ディープインパクト産駒は頭では買わないという人が

多かったですが、サトノダイヤモンド、フィエールマン、ワールドプレミアと

3頭のディープインパクト産駒が菊花賞および天皇賞・春で勝利していますので

もうディープインパクト産駒をマイナスに捉える人はいなくなりました。

 

血統だけではないですが、しっかりと理由付けが出来ることで

使いこなせるツールだと思います。

 

 

・調教は基本的に“縦の比較”

次に調教についてです。

 

こちらもポイントをまとめると

① 出走メンバー同士の比較ではなく、その馬の過去の調教との比較。

  馬の調子や成長を見るツールである。

② 若駒の新馬・未勝利戦ではメンバー同士で比較することも。

③ 各調教コースの効果、単走と併せ馬の違いを理解する。

④ 強い馬は直前軽め調教がおすすめ、調教のしすぎは当日テンション高い。

⑤ 見れる人は手前の替え方、頭の位置、ストライドなども見ている。

 

 

① 出走メンバー同士の比較ではなく、その馬の過去の調教との比較。

  馬の調子や成長を見るツールである。

調教に関しては皆が言っていますが、基本的には“縦の比較”です。

 

これは出走メンバー同士で比較するのではなく、

その馬の過去の調教と今回の調教を比較して、馬の調子を見るということです。

また、主に2歳から3歳の時期では、急激に成長することもあり、

それが調教に表れることがあります。

こういったことを調教で見るのです。

 

そんなことは言われなくてもわかっていると思います。

しかし、知らず知らずの間にメンバー同士で

調教を比較していることをよくお見かけします。

 

新聞の調教欄を見て、こっちの方が追い切りタイムがいいから

買うのはこっちの馬、とするのはいい使い方とは言えません。

調教はレースではないですから、4F追いなら4F本気で走るのか、

最後の2Fや1Fだけ本気になるのか、はたまたずっと馬なりなのか、

その馬や厩舎の方針によって違います。

 

あくまで縦の比較であることは最後まで忘れないようにしましょう。

 

 

② 若駒の新馬・未勝利戦ではメンバー同士で比較することも。

上で調教は縦の比較であって、メンバー同士との比較はしないと書きました。

しかし、新馬・未勝利戦では例外です。

 

特に新馬戦は馬券を買うための判断材料が少なく、

調教の他には血統、馬体(パドック)くらいしか情報がありません。

この3つの中では調教が最もレースを想像出来る情報だと言えます。

新聞では中間の調教過程とタイムを見ることが出来ます。

さらにJRA-VANでは新馬戦の最終追い切りの映像を見ることができます。

(全頭必ずあるわけではありませんが)

 

そして、若駒は仕上がりがものをいうことがしばしば。

最終的に名馬になる馬が、新馬戦は敗れていることも多いです。

これは2019年より9月の未勝利戦が廃止され、

将来的には3歳新馬戦が廃止される方向性も聞かれますので

より早期の勝ち上がりを求められており、デビューが早めになる傾向になりそうです。

 

よって従来ならデビューはまだまだの仕上がっていない馬も

早めにデビューさせることも増えていくでしょう。

なので新馬・未勝利戦で調教タイムや動きでメンバー同士で比較することは

妥当な使い方であると言えそうです。

 

そして、上記のメンバー同士での比較は若ければ若いほど効果的でしょう。

今の時期の3歳未勝利戦で、メンバー同士の調教タイムで比較するのは疑問です。

6月からの2歳新馬戦まで待ちましょう。

 

 

③ 各調教コースの効果、単走と併せ馬の違いを理解する。

調教コースは坂路、ウッドチップ、ポリ、芝、ダートがあります。

 

まず、坂路コースは高低差が競馬場より大きく、負荷をかけるのに向いています。

タイムを出さなくても傾斜で負荷がかかるのです。

ちなみに後でも出てきますが坂路もウッドチップ(木くず)で、脚元には優しいです。

コースが1000mくらいしかありませんので、4F(800m)追いが基本です。

なので短距離馬は基本的に坂路のみで仕上げることが多いです。

 

ウッドチップコース(CWと表記)と坂路との違いは、傾斜が無いことと

坂路よりコースが長いので、6F追いが出来ることです。

また、坂路は横幅も狭いので併せ馬も2頭が多いですが、

CWコースは3頭併せもしばしば見られます。

長距離レースでは折り合いも大事ですから、

坂路の短いコースだけというわけにはいきません。

 

調教は坂路とウッドチップコースをメインにしていることが多いです。

なぜなら、脚元に優しいからです。

 

ポリトラックコース(Pと表記)とは化学繊維等の混合物の馬場です。

天気の影響を受けにくく、タイムが安定する長所があります。

美浦ではよく使われている印象で、スピードが出やすいコースです。

CWより負荷がかかりにくいと言われることがありますが

あまり違いはわかりません。

 

競馬場と同じ芝、ダートのコースもあります。

普通は実戦と同じコースを使うのがいいのではないか?と思いますが

脚元への優しさを考えてのことか、CWを使うことが多いです。

ただし、雨が降るとCWは重くなり過ぎるので、芝を使うこともあります。

中間過程では芝やダートも使うこともありますが、1週前や最終追いは

ほとんどが坂路やCW、たまにPコースです。

 

そして、調教には単走と併走があります。

単走は1頭だけで走る調教で、自分のペースで気持ちよく走ることができます。

軽めの調教の際には単走になります。

また、後でも書きますが、併走すると追い抜こうと力が入るので

テンションを上げたくない時も単走です。

 

あとは逃げ馬も単走追いです。

となりに併走馬がいるとかかってしまう、しかしスピードはある

といった馬には逃げの先方が向いているので

単走で速いタイムを出す馬は逃げを考えていると言っていいでしょう。

 

併走(併せ馬)は2頭あるいは3頭が並んで走る調教です。

前の馬を抜かすという闘争本能を引き出す効果があります。

または逆にかからないように練習する、鞍上のGoサインまで待つ練習をする

といったように、実際の競馬で馬群の中に入ったことを想定したものです。

上記の逃げ馬は単走追いと反対に、いつも逃げている馬が併せている時は

逃げの手を打たないサインかもしれません。

 

といったように基本的なことではありますが

調教の意味を理解することも重要です。

 

 

④ 強い馬は直前軽め調教がおすすめ、調教のしすぎは当日テンション高い。

これは私の持論ですが、

調教で素晴らしい動きをする馬、

そもそもG1で好成績を上げるような強い馬は、

直前は軽めの調教がいいと思っています。

 

特に最終追い切りなんて3〜4日後にレースなのですから

サラッとしていた方がいいです。

 

これは元から強い馬なら直前に慌てて負荷をかけなくても

レースでは力を発揮してくれるでしょうし、

強すぎる調教は疲れも溜まりますし、当日にテンションが上がりすぎて

空回りしてしまうこともしばしばあります。

 

なので私は能力の高い馬に関しては、

1週前や最終追い切りで「軽い」と言われるくらいの方が

調教を評価しています。

 

もちろん中間は強めの調教をしていても構いません。

しかし、外厩仕上げも多い昨今では

トレセンでの調教が全てではないのでわからないところもあります。

 

 

⑤ 見れる人は手前の替え方、頭の位置、ストライドなども見ている。

これは私は全くわかりませんが、

・手前の替え方を見て、右回り、左回りの適性を見る

・頭の高さを見て調子や距離適性を見る

ストライドで小回り、大回り適性を見る

など、タイムだけではわからない情報を得る人もいます。

 

また、主観的ではありますが、

過去の映像と比べて動きが軽い、重いと評価することもあります。

 

そこまで使いこなせれば調教もより面白くなると思います。

 

 

 

 

今回は以上です。

次回(#3)は過去データを用いての

競馬予想の注意点について書きます。