RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

POG簡易攻略講座【#2 種牡馬別の傾向】

 

これからPOGをはじめる人、近年はじめたばかりの人向けの

POG簡易攻略講座です。

#2では各種牡馬の傾向を考えてみます。

 

※血統の傾向について書きますが、

もちろん絶対ではなく例外もあることをご承知おきください。

 

 

#1はこちらから

 

#1で載せた過去5年のPOG期間活躍馬の表を貼り付けておきます。↓

 

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・活躍馬の兄弟は活躍するか?

種牡馬の考察に入る前に、活躍馬の兄弟について考えます。

G1馬の弟、妹はPOGでも人気を集めますが、

兄や姉と同じように活躍が見込めるのでしょうか?

 

結論から言うと、活躍馬(G1馬)の兄弟にあまり期待しない方がいいです。

上記の表で複数の子どもが活躍を見せたのは、

シーザリオリオンディーズ、サートゥルナーリア)と

母ラヴズオンリーミー(ラヴズオンリーユー)のみです。

 

G1勝ち馬を複数産むというのは非常に難しいので、

その低い確率に賭ける必要はありません。

(逆に言えば、上記2頭の母馬の産駒はまた活躍するかもしれません)

 

例えば現役最強馬のアーモンドアイ。

フサイチパンドラの7頭目の子どもです。

兄や姉はシンボリクリスエスキングカメハメハハービンジャーが父でしたが、

大きな活躍は出来ませんでした。

しかし、ロードカナロアをつけると怪物が生まれたのです。

 

このように、兄弟が活躍していなくても血統配合の試行錯誤がハマることが多いですし、

父が同じでも育成面で当然試行錯誤しています。

 

また、一度活躍馬を出した母の産駒はその後は高値で売れます。

(クラブ馬でも一口価格が上がる傾向です)

なので乱暴な言い方をすれば、勝手に売れるのです。

 

そういった背景も考慮すれば、活躍馬の兄弟よりも

まだ活躍馬を出していない母の子どもの方がおすすめです。

 

 

・兄弟の仕上がりの速さにも注目

指名馬の兄弟に関しては、活躍度よりも仕上がりの速さには注目です。

いい馬でもダービーまでに成長が間に合わなければ、

POGでのポイントを稼ぐことはできません。

 

入厩時期が早かったり、調教で時計を出す時期が早いといったように

直接的に仕上がりの早さを見る要素はありますが、

先に仕上がりが早いかどうかを予測する方法として、

その馬の兄弟のデビュー時期や勝ち上がりの時期を確認するのは重要です。

 

必ずしも仕上がりの早い遅いが遺伝するわけではありませんが、

デビューが早い馬が多い兄弟であれば安心材料になります。

逆にいつもデビューが遅い子供が多い母の馬を選ぶのは勇気が入ります。

 

POGで指名したのにデビューが間に合わなかったというのは残念ですから

兄弟のデビュー時期や勝ち上がりの時期は見ておきましょう。

(デビューだけ早くて成長が遅い場合もある)

 

ただし#1で書きましたが、生まれの月が早い方が優先です。

 

 

 

ディープインパクト

さて、種牡馬別各論に移ります。

種牡馬について、先にポイントをまとめておきます。

 

◾️手っ取り早いのは母にStorm Catを探す。

◾️母にアメリカ血統を持つ馬との相性が良い。

◾️Danzigも相性が良い。

 

いきなりメインですが、大種牡馬ディープインパクトについて考えていきます。

昨年の夏に残念ながら死亡してしまいましたが、2018年までは多くの種付けをしており、

今年のPOG指名対象馬も非常に多いです。

 

毎年、必ずディープインパクト産駒がPOG期間で活躍しますので

指名馬にディープインパクト産駒を入れないという選択肢は無いと思います。

しかし、ディープインパクト産駒は数も多いので、絞り込むのが迷ってしまいます。

 

最も手っ取り早いのが、母系にStorm Catストームキャット)を持つ馬を探してみましょう。

非常に活躍馬が多いことで知られている配合です。

 

上記表のディープインパクト産駒で母系にStorm Cat持ちは

ラヴズオンリーユー、ダノンキングリー、カレンブーケドール、コントレイルがおり、

過去にはキズナエイシンヒカリサトノアラジンなど多くの活躍馬を出しています。

5年前から2年前までは全然いませんでしたが、

ここ2年は再びディープインパクトStorm Catの組み合わせの活躍馬が集中しています。

 

もっと大分類で言えば、スピードが強化される母系がアメリカ血統というのがいいのですが、

詳しくわからない人はStorm Catを探した方がいいと思います。

 

また、母系にDanzigダンチヒ)持ちもいいです。

サトノアレス、サトノダイヤモンド、ダノンプレミアム、

ケイアイノーテック、ロジャーバローズ

と数はStorm Cat持ちより多いです。

 

Storm CatあるいはDanzig

ディープインパクト産駒はこの2頭を母系統で探しましょう。

 

 

キングカメハメハ

先にポイントをまとめます。

 

◾️母系にはRobertoやSadler's Wellsなどの欧州系の重厚な血統を。

◾️アメリカ血統等の速さを追求しすぎると、距離適性が短い。

◾️サンデーサイレンスは必ずしも必要としない。

 

サンデーサイレンス系の種牡馬の筆頭格のキングカメハメハ

ディープインパクトを追いかけるように昨年の夏に死亡しました。

死亡前より体調不良が続いており、近年は種付け頭数を絞っていました。

それでも今年も70頭程度の指名対象馬がいます。

 

その体調不良が産駒にも伝わっているのか、

ここ3年はキングカメハメハ産駒のPOG期間での活躍が見られないのが寂しいです。

 

ポイントとしては、速い血を母に持ちすぎないことでしょうか?

 

ディープインパクトは母系にとにかくアメリカ血統等の速い血を注ぎ込めといった感じですが

キングカメハメハはRoberto(ロベルト)やSadler's Wells(サドラーズウェルズ)を持つ

レイデオロリオンディーズといったように、欧州系の重厚な血も必要かもしれません。

エアスピネルも母父はサンデーサイレンスですが、母母父はノーザンテースト

スピードを追求した血統とは言えません。

 

逆にスピードを追求したキングカメハメハ産駒の筆頭は

短距離王ロードカナロアであるように

アメリカ血統を母系に重視すると距離適性が短くなりがちのようです。

 

また、キングカメハメハディープインパクト等のサンデーサイレンス産駒と違い、

母がサンデーサイレンス系と組み合わせることができる強みがあります。

しかし、必ずしもサンデーサイレンスの血を必要とはしていないようです。

現にレイデオロサンデーサイレンスを持っていません。(ロードカナロアも)

 

後で出てくるキングカメハメハ産駒の種牡馬とは違う要素です。

 

 

ダイワメジャー

ポイントは

◾️仕上がりが早い産駒が多く、POGに適している。

◾️しかし2000m以上の重賞を勝利したことはない。

◾️牝馬の活躍が多く、母系にSadler's Wellsが好相性。

 

仕上がりが早いことで有名なダイワメジャー

勝ち上がり率も高いのでPOGにも適している種牡馬だと思います。

 

しかし、ダイワメジャー産駒は2000m以上の重賞を勝利したことがありません。

G1だけでなく重賞すら勝ったことがないのです。

なのでダイワメジャー産駒を指名するということは、

その馬は桜花賞NHKマイルカップ狙いになります。

 

実際に上記の表でもダイワメジャー産駒の活躍はNHKマイルカップ桜花賞のみです。

牡馬はアドマイヤマーズのみで、牝馬の活躍が目立ちます。

そして、上記の表に載っているダイワメジャー産駒のうち、

レーヌミノル以外に共通するのは、

母系にSadler's Wellsを持っていることです。

もはや必須級の条件だと思いますので、

ダイワメジャー産駒にはSadler's Wellsを探しましょう。

 

 

ハーツクライ

ポイントは

◾️仕上がりが遅めの傾向だが、早めに活躍して古馬でも活躍する馬もいる。

◾️当たり年とイマイチな年が偏る。

◾️評判の良いハーツクライ産駒が複数頭いる時は当たり年かも?

◾️血統の傾向はつかみにくい。

 

ディープインパクトキングカメハメハステイゴールドと共に

社台SSを長年支えてきたハーツクライです。

現在、存命なのはハーツクライのみです。

 

ハーツクライ産駒は古馬になってからも活躍する馬が多いとされています。

それは仕上がりが遅めであることの裏返しでもありますが、

スワーヴリチャードやリスグラシューのように、

早い時期から活躍して古馬になっても活躍するという怪物もたまには現れます。

 

偶然ではあると思いますが、近年のハーツクライ産駒は当たり年とイマイチな年が偏ります。

今年はサリオスを筆頭にダービーにもワーケアやマイラプソディが出てきており、

牝馬もクラヴァシュドールが有力馬でした。

しかし昨年は牡馬も牝馬ハーツクライ産駒は有力馬がいませんでした。

(あえて言うならシャドウディーヴァくらい)

 

今年は当たり年かどうかはまだわかりませんが、当たり年の時には

評判の良いハーツクライ産駒が1頭だけでなく、たくさん聞こえてきますので

そういったときは当たり年かもしれません。

 

血統は正直傾向がわかりません。

よく、ハーツクライ産駒には母系にアメリカ血統のスピードを掛け合わせて

クラシックに間に合わせていると聞きますが、

(つまり、ディープインパクトと同じ傾向)

上記の表に出てくる馬の血統表を見ても、

そんなにスピードを重視しているとも思えないのです。

 

では、欧州のスタミナ血統が入っているのかというと、

そういうわけでもないので、よくわからないのです。

もっと詳しい人に言わせてみれば共通点や傾向があるのかもしれないですが

不勉強で申し訳ございません。

 

 

ロードカナロア

ポイントは

◾️2019-2020シーズンは活躍馬無しの大不振。

◾️母系の特徴を出すというのは話半分で考える。

◾️産駒の勝ち鞍は1600m以下に集中。

◾️母サンデーサイレンス系を狙うのが無難か?

 

ロードカナロア産駒は初年度でアーモンドアイ、2年目でサートゥルナーリアと

連続でG1馬を出しましたが、3年目の2019-2020シーズンはかなり不振で、

G1に出走したのがヤマカツマーメイド、ボンボヤージ、

パンサラッサ、メイショウチタン4頭のみで

ヤマカツマーメイドの阪神JFでの5着が最高着順でした。

あとは二桁着順です。

 

ロードカナロア自体がスプリンターでしたので、

距離が長めの皐月賞オークス、ダービーでの活躍がしにくいのは

アーモンドアイとサートゥルナーリアが例外なだけで仕方がないかもしれませんが、

今年は桜花賞NHKマイルカップでも有力馬を出せませんでした。

POG期間のG1が全てではないにしても、

これは種付け料2000万に全く見合わない成績です。

 

産駒がデビューしてから今年で4年目で、まだ血統の傾向がわかっていませんが、

よく言われる母系の特徴を引き出す種牡馬だというのは、

話半分くらいに考えた方がいいと思います。

 

なぜなら、本当に母系の特徴ばかり出る種牡馬であれば、

産駒の距離適性はそれなりにバラけるはずですが、

ロードカナロア産駒の勝ち鞍は1600m以下に偏っています。

なのでスプリンターの父の特徴は出していると思います。

よってPOGではダイワメジャーと同様に

桜花賞NHKマイルカップを見据えるのがセオリーです。

 

しかし半々と申し上げたのは、ダイワメジャーと違って

アーモンドアイ、サートゥルナーリアを出していることです。

2000m以上のG1でも勝てる怪物級の子供が既に2頭もいるのです。

なので特大ホームラン級の大当たりの可能性もあるのです。

 

この2頭の母父は

アーモンドアイはサンデーサイレンス

サートゥルナーリアはスペシャルウィーク(その父がサンデーサイレンス

ですから狙うならサンデー系の母父ですかね?

 

これまでのロードカナロア産駒の重賞勝利は12頭いますが、

サンデーサイレンスを持たない馬は

ダノンスマッシュ、イベリス、キングオブコージの3頭のみ。

母にサンデーサイレンスを持つ馬を選択するのが無難だと思います。

 

 

・その他の種牡馬

その他の種牡馬に関しては軽く述べます。

 

 

◾️ルーラーシップ

ルーラーシップは頭数が多いですが、重賞で活躍する馬は今のところ少なめです。

これまでの産駒のオープン馬23頭のうち、

母にサンデーサイレンスを持たない馬は

スペリオルシチーとパッシングスルーしかいませんので、

母にサンデーサイレンスの血は必須と言ってもいいくらいです。

 

特に相性が良さそうな母父はアグネスタキオンフジキセキクロフネでしょうか?

クロフネサンデーサイレンス系ではありませんが、

先に挙げたサンデーサイレンスを持たないパッシングスルーの他に、

リオンリオンやリリーノーブルなどがいます。(母母系にサンデーサイレンス有)

 

 

◾️オルフェーヴル

勝ち上がり率が低く、種付け頭数も低下傾向ですが

クラシックで活躍したラッキーライラックエポカドーロを出しています。

今年は故障でダービーには出れませんでしたが、

青葉賞を勝利したオーソリティがいました。

 

母にMr.Prospectorの血を持つ馬の活躍が多いようです。

上記のラッキーライラックエポカドーロを含め、

重賞勝ち馬で持っていないのはオーソリティだけです。

 

あと、Sadler's Wells持ちも多いのは意外です。

ミスプロはわかるとしても、サドラーズ持ちはスピードが足りなそうに感じます。

 

まだ今年で産駒がデビューしてから4年目ですので、

傾向が分かるのはこれからでしょうか?

 

 

◾️ハービンジャー

今年のクラシックには1頭も絡めませんでしたが、

コンスタントにクラシックに出走させています。

 

特に現6歳世代はハービンジャー産駒のPOG当たり年で

ペルシアンナイトとモズカッチャンがおり、秋華賞を勝つディアドラもこの世代。

翌年もブラストワンピースとノームコアと2頭のG1馬を出しました。

 

ハービンジャーには母にNureyevの血が好相性です。

G1馬5頭のうち、ノームコア以外の4頭が持っています。

とにかく母にNureyevを探しましょう。

 

 

 

・最後に

今回、自分が詳しくないながらも血統について書きましたので、

よく知っている方にはツッコミどころ満載だと思います。

 

しかし、最初はこれくらいの感じから始めないと

血統についてはわからないままです。

最初から5代血統表を見て

クロスやインブリード、アウトブリードを語れるようにはなりません。

 

これが血統を知ることの入り口になれば幸いです。

 

 

 

 

POG簡易攻略講座【#1 POGのススメと厩舎、生産、馬主の傾向】

 

先日、日本ダービーが終わり、来週からは2歳新馬戦が始まります。

つまり、POG(ペーパーオーナーゲーム)も指名可能となります。

 

ご存知とは思いますが、POGとは任意の2歳馬を10頭指名して

その馬の獲得賞金をポイントとして競うゲームのことです。

 

POGは様々な媒体で主催されていますが、

JRA-VANPOGが最も参加者が多いと思います。

賞金総額300万円のPOGが無料で誰でも参加できます。

その他、netkeibaやUMAJINといったサイトでも開催されています。

 

今回は、POGの簡単な指名のポイントについて書きます。

以下のような方におすすめです。

・毎週のように馬券は買っているけれど、POGは未経験

・いつもPOGは適当に指名してしまっている

POGの指名馬をどうやって選んでいいのかわからない

・どんな馬が活躍するのか、傾向を掴んでおきたい

 

※以下に書くコラムはPOG熟練者の方にはツッコミどころ満載ですので

  毎年雑誌や赤本等の書籍を購入しているような方には全くオススメしません。

  また、ランキング関係なしに好きな馬、父馬、母馬、馬主さん、厩舎等で

  選んでいる方は、それがベストな遊び方だと思います。

  そういった方にもオススメしません。

 

 

POG指名で競馬が2割増しで楽しくなる

競馬は毎週楽しんでいるけれど、POGはよくわからない、

または面倒で経験がないという方、結構いらっしゃると思います。

 

私も最初はそうでした。

新馬戦の馬券もどう買えばよいのかわからないのに、

デビュー前、もしかしたら入厩前の馬の

今後の活躍なんてわかるわけがないだろうと。

 

もちろん今でもその考えは変わりませんが、

POGの楽しみ方はそうじゃないんです。

 

POGで指名した馬はその後も覚えているんです。

何気ない条件戦でも、

「あ、この馬POGで指名したなあ」

とヒモで買ってみたりするんです。

それが当たったりすると余計に嬉しくないですか?

何年もやっていれば、この母馬をPOGで指名したということもあるでしょう。

その子供は自然と応援しますよね?

それが楽しいのです。

 

血統のことも自然と身についてきます。

父馬だけではなく、5代血統表を眺めると、

よく見る種牡馬が出てきます。

その種牡馬の特徴がすぐにわからなくてもいいのです。

まずは名前を知るところから始めればいいのです。

 

競馬ファンにはPOGに参加することをオススメします。

そしてこのコラムがその手助けになれば幸いです。

 

 

・まずは登録

まずはPOGに参加するための手続きをしましょう。

前述の通り様々な媒体でPOGが開催されていますが、

とりあえずJRA-VANで始めてみましょう。

POG'19 ペーパーオーナーゲーム│JRA-VAN

 

JRA-VAN IDを取得する必要があります(無料)。

既にアプリ等でJRA-VANを利用されている方は登録不要でログイン可能です。

また、有料のJRA-VANを利用している方は、坂路調教ランキングを見ることができます。

 

もちろん、netkeibaの有料会員の方はnetkeibaの方で参加される方がいいでしょう。

 

 

POG指名は芝馬を

先に大前提を申し上げておくと、

芝のレースに出る(であろう)馬を指名しましょう。

ダート馬は基本的には指名しなくてよいです。

 

なぜならJRAは2歳と3歳のダートの重賞が極端に少なく、

賞金(=ポイント)が見込めないためです。

地方交流重賞や海外レースの成績は、

ほとんどのPOGではカウントされません。

 

なのでルヴァンスレーヴやクリソベリルのようなダートの怪物でも、

ラニのようなUAEダービー馬を狙ってもポイントは望めません。

芝馬から選びましょう。

 

 

 

・調教タイムを見て直前指名

さて、ここから本題ですが、手っ取り早いPOGの攻略法は、

調教タイムが優秀な馬がいたら、直前に指名するというものです。

POGはレースの前日までに指名が可能ですし(JRA-VANならば)、

一度に10頭全部を指名する必要はありませんので

ネット等のPOG特集で調教タイムが優秀な馬がいれば随時指名していけばいいのです。

 

競馬予想を考えるコラムで少し書きましたが、

2歳馬は仕上がりがとても重要ですので、

調教タイムが優秀ならばレースでも有力です。

 

ほとんどの活躍馬は新馬戦あるいは2戦目で勝ち上がっていますので

未知な3歳での走りを想像するよりも、目の前の勝ちを拾っていくと

その後の活躍が期待できることが多いです。

早めに勝ち上がってしまえば、その後のローテーションにゆとりも生まれます。

 

特に最近は6月の頭から有力馬がどんどんデビューします。

2018年6月3日(新馬戦の開始週)、東京5R2歳新馬戦で、

後の桜花賞1着グランアレグリアと阪神JF1着のダノンファンタジー

同じレースに出ていたことは記憶に新しいです。

(グランアレグリア1着、ダノンファンタジー2着)

 

ダービーが終わって余韻に浸る時間も無く、

翌日からはPOGの指名馬候補探しが本格的に始まっているのです。

 

 

・生まれの月を確認する

大前提として、POGは2歳6月から翌年3歳5月末までの期間でポイントを競います。

たとえその後菊花賞秋華賞を勝ち、古馬になってからも活躍する馬だとしても、

POGではポイントになりません。

 

なので遅くても2歳の年末までにはデビューしてくれないと

賞金の高い(=ポイントが稼げる)3歳春のクラシックには間に合いません。

 

そこで重要なのが生まれの月を確認することです。

馬は1月から5月の間に生まれますが、早く生まれる馬の方がデビューは早い傾向です。

人間でいえば赤ちゃんから高校生までの期間をたった3年で駆け抜けるのですから、

たった1ヶ月でも急成長するのはわかると思います。

小学校3年生と4年生では体格も脚の速さも変わりますよね?それと同じです。

 

実際にダービーでも勝つのは1,2月生まれが多いので、

早く生まれている馬を選ぶのが無難です。

 

(もちろん、遅い生まれでクラシックを勝った馬もいます。

 イスラボニータは5月生まれで皐月賞を勝ちました。)

 

 

 

・過去5年分の活躍馬

手っ取り早い調教タイムで選ぶ手法ですが、

芝orダートなのか、あと距離適性がわからない難点があります。

 

そこで過去の傾向からポイントを探ってみます。

まずは過去5年分の活躍馬を見てみましょう。

G1で好走した馬を抽出しています。

 

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上記表の5年の傾向から、

・厩舎

・生産者

・馬主

についてそれぞれポイントを押さえておきましょう。

 

種牡馬(血統傾向)に関しては、#2で書きます。

 

 

・西高東低の傾向

競馬は昔から西高東低と言われていますが、

POGにも当てはまるようです。

 

上記の過去5年の表を見ても、

美浦所属(東)よりも栗東所属(西)の馬が多いのは明らかです。

栗東所属を多めに、を意識するといいでしょう。

 

そして美浦では藤沢厩舎と国枝厩舎に良績が集中しています。

G1 2着までならちらほらとありますが、

1着だとディーマジェスティの二ノ宮厩舎とサリオスの堀厩舎のみです。

(二ノ宮厩舎は既に解散しています)

 

栗東の馬は所属はばらけていますが、友道厩舎の活躍が目立ちます。

クラシックに向けた馬作りを意識していることが感じられます。

 

上記の表に出てくる厩舎を意識して指名してもいいかもしれません。

 

 

ノーザンファームが強すぎる

表をパッと見て、すぐに気がつくことは

生産者ノーザンファームがあまりにも多いことです。

 

G1で勝負になるような活躍馬を指名したければ、

ノーザンファーム生産馬から選ぶのが最も確率が高いです。

 

そして、さらに注目すべきポイントは

ノーザンファームはリーディング上位の種牡馬でなくても

活躍馬を出しているということです。

クロノジェネシスの父はバゴですし、

アエロリットの父クロフネといったように

リーディング上位種牡馬じゃない産駒を指名するなら

ノーザンファームが優先でしょう。

 

また、種牡馬の活躍もノーザンファームが多いです。

ロードカナロア産駒初年度でアーモンドアイ、ステルヴィオ

オルフェーヴル産駒初年度でラッキーライラック

ジャスタウェイ産駒初年度でヴェロックス

リアルインパクト産駒初年度でラウダシオン

とたくさんの新種牡馬で活躍馬を輩出しています。

 

かつてはFrankel産駒のソウルスターリング

ヴィクトワールピサ産駒のジュエラーと社台ファーム

種牡馬で活躍馬を輩出していましたが、

ここ3年はG1に出走させるのがやっとの状況です。

 

今年はドゥラメンテ、モーリス、ミッキーアイル

リオンディーズラブリーデイエイシンヒカリなど

注目種牡馬が目白押しです。

 

毎年必ずといっていいほど、新種牡馬のG1勝ちが見られますので

種牡馬を最低でも1頭は指名しておいて損はないでしょう。

 

 

・ノーザン系クラブ馬が強い

ノーザンファームが強いのはわかりましたが、馬主はどうでしょうか?

やはりノーザンファーム系のクラブの馬が毎年クラシックの上位に絡んできます。

サンデーレーシング、キャロットクラブ、シルクレーシングの3クラブです。

 

個人の馬主さんも活躍できないわけではないですが、

POG指名馬はノーザン系クラブ馬で固めてもいいくらい、活躍が目立ちます。

 

また、上記の表には書いていませんが、

セレクトセール高額馬の活躍が少ないのも注目です。

これに関しては昨年のセレクトセール後にコラムを書きましたのでご参照ください。

高額馬は活躍するのか? - RM_horseの競馬コラム

 

ノーザン系のクラブの馬は、セレクトセールには出てきていませんので

セレクトセールの落札馬だけを見ても、POGは難しいでしょう。

 

上記の表で、セレクトセールで1億円以上の値がついた馬は

ラヴズオンリーユー、スワーヴリチャード、サトノダイヤモンドの3頭だけです。

1億円未満の馬も多いですし、デアリングタクトのような1300万という安馬も活躍したります。

落札額と活躍度はあまり比例しないことがわかります。

 

また、個人オーナーはいわゆる“自家生産馬”に注目です。

例えばディープインパクトキングカメハメハで有名な金子オーナーは

近年は毎年のように2億円前後の高額馬を落札していますが、

マカヒキワグネリアンの2頭のダービー馬は

母も金子オーナーの所有馬の“自家生産馬”でした。

 

サトノ冠のサトミHC(里見オーナー)も、

サトノダイヤモンドというセレクトセールでの大当たりはありましたが、

サトノアレスは母も里見オーナー所有馬でした。

 

高額馬はそれだけ馬体や才能を評価されているのにも関わらず、

活躍する比率としては自家生産馬も引けをとらず、むしろ多いくらいです。

これには少しだけ理由があると思っています。

 

それは所属厩舎に関係していると思います。

たいていの馬は、母馬の現役時代の厩舎あるいは、兄弟と同じ厩舎に入ることが多いです。

そうするとスタッフも同じなので、母や兄弟のクセもわかっています。

日常の世話や調教でのポイントも早めに把握しているということです。

さらに

「あの母馬(兄弟)と子供(弟、妹)なら活躍させてやりたい」

と気合いも入るわけです。(他の馬が適当というわけではないですが)

 

というわけで個人オーナーに関しては

高額馬よりも母もそのオーナー所有の自家生産馬に注目です。

 

 

 

 

 

 

次回#2では種牡馬別の解説をします。

血統の話も大まかにしていきます。

POG簡易攻略講座【#2 種牡馬別の傾向】 - RM_horseの競馬コラム

 

 

 

レース回顧 〜日本ダービー 2020〜

 

日本ダービーのレース回顧です。

 

 

・レース展開

大外枠からウインカーネリアンがハナ。

2番手はスタートで出たコルテジア。

コントレイルも好スタートで下げることなくその後ろにつけます。

 

この時点でコントレイルの勝ちはほぼ確信していました。

サリオスがそのポジションにつけたかったはずですが、

外目の枠が影響して前のポジションが取れず、中団の後ろで進めます。

 

ウインカーネリアンのペースは遅く、1000m通過は61.7のスローペース。

すると、マイラプソディが向正面で押し上げます。

ウインカーネリアンはあっさり譲り先頭を渡しますが、

乱されたのは間違いありません。

 

むしろ単独2番手だったコルテジアの方がかかったように見えました。

マイラプソディが明確に先頭に立った後、

外目を追走しながらガッチリ抑えていました。

 

4コーナーから直線入り口でコルテジアとディープボンドが

早め先頭をうかがいます。

後ろの馬は外の進路を選択し、馬群は横に広がりました。

 

コントレイルも追い出しを我慢しながら外へと進路を伸ばし、

残り200mで後ろにサリオスが迫ると一気に加速して先頭に立ちます。

サリオスが追うも差は離れていくばかり。

最後はサリオスに3馬身の差をつけてコントレイルが完勝。

2着サリオスに遅れること1 3/4馬身差の3着争いは

混戦ながらヴェルトライゼンデが確保しました。

 

 

 

・上位馬寸評と予想の振り返り

予想はこちらから

 

 

1着 コントレイル 予想時:◎

予想ではサリオスと接戦と考えていましたが、終わってみれば圧勝でした。

残り200mでの加速は圧巻でした。

サリオスが思ったより後方で、大外を回したため

コントレイルに接近するまで時間がかかったため追い出しを遅らせていましたが、

仮に後続馬の接近が早くて、追い出しがもっと手前だったとしても突き抜けていたでしょう。

4コーナーで4番手通過で上がり3F最速の34.0を出されては誰も勝てません。

馬が強かったですが、追い出しを我慢した福永騎手の好騎乗も忘れてはいけません。

 

なんとコントレイルは残り600mを加速ラップで駆け抜けていたようです。

 

Twitter: Mahmoud

 

いくらスローペースとはいえ、2400mの最後を加速ラップを踏むなんて

なかなかできることではありません。

力が違いました。

 

今後は菊花賞を目指すローテになるとのこと。

ディープインパクト以来の無敗の3冠馬になることが有力でしょう。

 

 

2着 サリオス 予想時:◯

上記のように、サリオスは残り1Fでコントレイルと比べて失速気味です。

なので結果から言えば2400mは少し長かったのだと思います。

それでも3着以下には差をつけましたから、コントレイル以外とは

力の差があったということでしょう。

 

今後のローテは発表されていませんが、

当然菊花賞よりも天皇賞秋を目指すのが良さそうです。

東京のワンターンは合いそうです。

(それはコントレイルにも言えますが)

 

 

3着 ヴェルトライゼンデ 予想時:△

予想ではスピードが足りないので消耗戦になれば浮上すると書きました。

たしかにコントレイルやサリオスに比べればスピードは劣りますが

脚を長く使えるタイプなのだと思います。

今後は半兄ワールドプレミアが制した菊花賞を目指してほしいです。

ワールドプレミアも夏の休養期間で成長しましたから、

コントレイルが出るからと諦める必要はないでしょう。

 

 

馬券は馬連3連単が的中しました。

 

欲を言えば接戦の4着サトノインプレッサが3着なら

ワイドダブル的中と3連単万馬券ともっとおいしい思いができましたが。

直線の進路に迷った分のロスが大きかったので、

鞍上の坂井瑠星騎手の経験不足の面が出てしまったかなと思います。

決して責めるつもりはありません。今後の糧にしてくれるでしょう。

 

 

 

来年のダービーはどんな馬が出てくれるのか、今から楽しみです。

POGの記事も出しますので、参考にしていただければ幸いです。

 

 

日本ダービー予想【2020年】

 

 

しばらく競馬予想を自粛していましたが、

ありがたいことに予想の要望があり、

さらに緊急事態宣言の解除もありましたので

予想を再開させていただきます。

 

なお、ダービーの予想に注力するため、

葵Sと目黒記念は、予想のアップを断念させていただきます。

ご了承ください。

 

 

・コース解説と枠順

まず、競馬ラボさんのコース解説です。

 

f:id:RM_horse:20200529145810g:image

出典:競馬ラボ様

東京競馬場 芝2400m | 全競馬場コースデータ | 競馬ラボ

 

スタートは正面の直線の中ほど。

2400mという長さ、そしてコーナーまでに距離があるので、

基本的にはスローペースになりますが、

スローペースだと後ろから届かないという意識が騎手側にもあり、

ペースが速くなることもありますので難しいところです。

昨年のダービーでリオンリオンが大逃げをしたのも記憶に新しいです。

 

f:id:RM_horse:20200529152145j:image

 

※前走成績は掲載するのは権利的に怪しいと判断したため、

 今回から載せないことにしました。

 

ダービーは1枠の馬券内率が高いことが知られています。

これはBコースからCコースに変わることが大きいと思われます。

仮柵により内ラチ沿いの芝が痛んでいないので当然です。

さらに幅が少し狭くなるので余計に外枠は不利になるでしょう。

 

先週までの東京芝レースは、外目追走の先行馬が上位によく来ていたので

実際の傾向とも合致すると思います。

平場でも先週の傾向をなぞるのではなく、

Cコースに変わることを意識する必要があるでしょう。

 

 

・逃げ馬はどの馬か??

ダービーの出走馬が確定した時に誰もが思ったことは、

逃げる馬がわからないということです。

出走が叶えば逃げるのは確実だろうとされていたキメラヴェリテは

賞金順が19番目で回避馬がいなかったので除外されました。

 

意図的に逃げたことがあるのがコルテジアとウインカーネリアンの2頭。

ビターエンダーも共同通信杯で押し出されるように前に出たことがありますが

スタート直後は控えようとしていたので、逃げるのは上記2頭のどちらかだと思います。

 

ウインカーネリアンは枠が18番なので、先行はすると思いますが

2,3番手での追走と考えるのが普通です。

 

しかし、コルテジアの調教を見ると、

1週前、最終追い共にかなり後ろから先行馬を追走する内容なので

控える競馬を考えているとしか思えないのです。

 

よって大外から思い切ってウインカーネリアンが逃げると考えます。

昨年のリオンリオンのような大逃げにはならず、スローペースで進むと思います。

 

先行馬の候補は、上記に挙げたビターエンダー、皐月賞で先行したディープボンド、

そしてサリオスも積極的に前に行くでしょう。

ただし、1〜3枠の馬はスタートでポンと出ればいいポジションは取れます。

サトノインプレッサとワーケアはゲートが遅いので、なかなか厳しいですが。

 

 

皐月賞を振り返る

今年のダービーは皐月賞に出走した馬が13頭もいますので、

皐月賞をまずは振り返ってみましょう。

 

YouTube; jraoffical

 

1,2着のコントレイルとサリオスは接戦ですが、

3着以下はかなり突き放しています。

力の差があると考えていいでしょう。

 

なので3着探しのレースかなと考えています。

では3着ガロアクリークや4着ウインカーネリアンをそのまま上位と評価するか?

そうではないと判断しています。

 

ウインカーネリアンを見るとわかりやすいのですが

皐月賞は直線で外に出さないと伸びない馬場でした。

なので内を通さざるを得なかった馬にはノーチャンスで、

1〜6着は全て直線で進路が外でした。

 

なので、直線で内を通った

コルテジア、ヴェルトライゼンデ、ディープボンド、ビターエンダーの4頭は

皐月賞を“ノーカン”としてもいいと思っています。

それでも1,2着には差をつけられすぎなので、逆転は厳しいと考えていますが。

 

逆に考えると外を回したのに上位に伸びなかった馬は評価できません。

まず外を回して着順、着差がかなり悪いレクセランス、マイラプソディは厳しいです。

着順だけ見るとそこそこなサトノフラッグですが、

直線の入り口で最も恵まれた展開、位置にいるにも関わらず、

ガロアクリークには差をつけられ、ウインカーネリアンも差せなかったので

かなり厳しいと考えています。

 

ダーリントンホールとブラックホールは伸びていないことはないですが

ガロアクリークと比べると差をつけられすぎだと思います。

ただし、ダーリントンホールは先行して粘りこむ持ち味の馬なので

長所が発揮されなかったとも言えますが。

 

 

皐月賞出走した13頭で、とりあえず残るのは

・コントレイル

・サリオス

ガロアクリーク

・ウインカーネリアン

・コルテジア

・ヴェルトライゼンデ

・ディープボンド

・ビターエンダー

 

なのですが、東京競馬場に合うか、

そしてダービーに合うかどうかも考えなければいけません。

(もちろん能力が足りるか?も考えます)

それは後述します。

 

 

・出走メンバーの寸評

出走メンバーを解説します。

 

1. サトノインプレッサ

3連勝で毎日杯を制しており、能力は証明済み。

毎日杯の内容も良かった。

NHKマイルカップが13着と負けすぎだが、

全く走っていないという見方も出来るため、

中2週の間隔も消耗があまり気にならない。

最終追い切りもCWでこなしており、坂路仕上げの前走とは違いそう。

懸念は位置が後方になりすぎるため、脚を使っても届かない展開になること。

1枠1番は絶好枠でヒモには必要か?

 

2. アルジャンナ

ディープインパクトに母系にStorm Cat、In Reality持ちと、

いかにも東京の高速馬場で走りそうな血統背景。

しかし東スポ杯2歳Sではコントレイル0.8秒差をつけられている。

その後のきさらぎ賞毎日杯を見てもその差が埋まるほど成長したとは思えない。

(コントレイルも成長している)

追い切りも2400mのダービーにも関わらず坂路になっており、

CWで追えないという状態の悪さをあらわしているか?

ただし枠も血統も抜群ということで、ヒモには入れておきたい。

 

3. ワーケア

ディープインパクト記念2着の後、皐月賞を回避してダービーへ直行することを

早々に表明しており、ダービーに向けて準備をしっかりできたのはこの馬。

東京も新馬・アイビーSの2戦2勝で適性は問題なし。

しかしホープフルSではコントレイルに0.5秒差、

ディープインパクト記念ではサトノフラッグに0.3秒差をつけられており、

コントレイルやサリオスとは力の差を感じる。

ローテから準備過程は最も良かったはずなので、3連系で切る選択はなかなかできない。

 

4. レクセランス

前述の通り皐月賞で外を回して伸びておらず、ここでは力が足りていないと判断。

 

5. コントレイル

4戦4勝で接戦だったのは前走のサリオスのみ。

サリオス以外にはかなりの差を見せつけている状況。

血統的にもディープインパクトに母系Unbridled、In Reality、Storm Cat

アルジャンナと同様に東京の高速馬場が得意なのは間違いない。

枠も3枠5番は言うことなし。

懸念があるとすれば皐月賞と同様にポジションが後方になり、

進路が開かずに届かないこと。

オークスのデアリングタクトはその展開から残り300mだけで勝ってしまったが

同じように展開が向かなくても勝てるだけの圧倒的な差があるか?

馬券から外すという選択肢はあり得ない。

 

6. ヴェルトライゼンデ

前述の通り、皐月賞は直線内側でノーチャンス。

外枠から内側を通った割には伸びた方か?

懸念は東京競馬場での出走経験が無く、

33秒台の上がりも使ったことがないので、

スローペースから速い脚を求められると厳しいか?

ワールドエースやワールドプレミアと違い、

この馬は父ドリームジャーニーなので速い脚というタイプではなさそう。

逆に言えば消耗戦になれば上位のチャンスあり。

馬券には余力があれば入れたい。

 

7. ブラックホール

いつも後方からの位置になってしまい、追い上げはするものの

位置取りの悪さをカバーするほどの末脚は持っていない。

おそらく究極の消耗戦で力を発揮するタイプで、

例えるならメイショウテンゲンに近いタイプと思われる。

年末の万葉SステイヤーズSで見たい。

 

8. ビターエンダー

東京は相性が良く、先行が間違いなく出来る馬の中で

最も内側の枠なのは大きな魅力。

共同通信杯も後ろのダーリントンホールに

一番いい進路を渡してしまったための2着であり、

ダーリントンホールよりは東京が向くと考えている。

懸念は今年は京成杯共同通信杯皐月賞プリンシパルSと使って

中2週でここで状態面はどうか?

適性は向くので馬券には抑えておきたい。

 

9. ダーリントンホール

共同通信杯を勝っているので、東京コース替わりはプラスだと思われる。

前走は後ろのポジションだったが、ここは先行したい。

ただし血統的にはGalileo系の父New Approachに母もNureyev系と

東京コースに向いている血統ではない。

もちろん例外もあるので血統だけで消しとはならないが。

余裕があればヒモには入れていいかも?

 

10. コルテジア

皐月賞は内からよく伸びた方だと考えている。

それでも着差は勝ち馬から1秒以上ついており、

これまでの戦績を考えると力が足りていないか?

血統面もシンボリクリスエスに母父ジャングルポケット

アメリカ血統のようなスピードの要素が足りていない。

ここでは買いにくい。

 

11. ガロアクリーク

前々走のスプリングSで非常に速い脚を使い、

前走の皐月賞では大外を回して3着まで追い込んでいる。

コントレイルとサリオスとは差があるが、

それ以外の馬とは差がないか、勝っているはず。

キンシャサノキセキで距離不安と言われているが、

新馬戦が2000mで、走りからも折り合い面も問題なさそうなので

距離は心配していない。

それよりも後ろからの脚質で届かない方が懸念。

馬券には入れておかなければいけない。

 

12. サリオス

皐月賞を見ても3着以下はちぎっているので、

コントレイルと共に実力が抜けている。

先行できる点がコントレイルよりここの適性に優れている。

懸念はダービー参戦表明に時間がかかり、

前走の疲労が抜けていない可能性がある。

状態面さえ問題なければ、連軸としてはコントレイルより買いやすい。

 

13. ディープボンド

前述の通り、皐月賞の10着は着順通り捉える必要はない。

先行できるのも悪くなく、前走ハイペースの展開で2200mを勝ち切ったのはいい内容。

しかし戦績から能力が足りているのか怪しく、

4/4のアザレア賞から2ヶ月で4レース目というのは厳しい。(どれも長距離戦)

馬券に入れるのは難しいか?

 

14. マイラプソディ

2歳時の走りを見るかぎり、能力は高いはずだが

共同通信杯を4着で敗退し、皐月賞でもいいところなく13着。

状態の上積みがあったとしても上位を狙うのは酷か。

枠も外になってしまった。

馬券には入れられない。

 

15. サトノフラッグ

前述の通り、皐月賞では最も展開に恵まれての5着。

皐月賞に出走するためにディープインパクト記念も仕上げており、

ここでは状態の上積みは望みにくい。

枠も外なので馬券からは切ってしまう。

 

16. マンオブスピリット

過去4戦全て京都でのレースで、遠征の経験がない。

速い脚は使ったことがなく、いきなり東京で好結果を期待するのは厳しい。

スタートも遅く、外枠なので届かない可能性が高い。

馬券には入れられない。

 

17. ヴァルコス

同じ東京2400mのトライアルであるにもかかわらず、

ダービーでの結果がつながりにくい青葉賞組。

それはダービー時とコースと馬場が違い、

スピードが要求されるダービーに対して、

青葉賞ではスタミナが要求されることになっているためと考えている。

ヴァルコスは稍重ゆきやなぎ賞を勝っており、まさにスタミナ系。

その根拠に3走前のセントポーリア賞ではスピードが足りずに4着。

外枠もあり馬券には入れられない。

 

18. ウインカーネリアン

前述の通り、大外枠から逃げる予想。

2400mを逃げるにはかなりの馬の能力と騎手の腕が要求される。

加えて大外枠から逃げるにはスタート後に相当押していかなければいけない。

皐月賞4着は悪くない結果だが、ダービーで逃げて粘れるまでには思えず、

馬券には入れないことにする。

馬と騎手の両方を信じ切れるなら買うべき。

 

 

・コントレイルとサリオス

コントレイルとサリオスが2強と言われており、

それは間違いないと思っています。

どちらが勝つのか判断するのは非常に難しいです。

 

皐月賞ではコントレイルが外を回して内のサリオスを差し切っているので、

より距離ロスのあったコントレイルが横綱相撲という見方がありますが、

サリオスは直線入り口で前を走るウインカーネリアンが外に出したため、

すぐに馬場のいい外には出せなかったという面があります。

なのでどちらの内容が良かったとは判断できません。

 

また、ダービーの適性で考えると、血統面ではコントレイルですが

先行馬が有利なのでその点はサリオスの方がいいです。

昨年のダービーで出遅れたサートゥルナーリアが4着なのは記憶に新しいです。

 

なかなか決めることができません。

勘の領域だと思います。

 

 

 

・印と買い目

◎ 5 コントレイル

非常に迷いましたが、東スポ杯2歳Sの圧巻のパフォーマンス、

枠順、サリオスと比べた状態面を考慮してコントレイルにしました。

血統面もここに向くのは間違いなく、死角はポジションの不利のみです。

 

◯ 12 サリオス

コントレイル以外には負けないでしょう。

あとは状態面だけです。

距離不安も一部でささやかれていますが、

スピードが重要なのがダービーだと考えています。

 

▲ 1 サトノインプレッサ

なんだかんだ白帽子が来るのがダービーです。

NHKマイルカップを経験して、今までより前の位置が取れれば面白いです。

鞍上がダービー初騎乗は心配ですが、無観客なので例年のダービーよりは

緊張感に押しつぶされないで済むと思っています。

 

△ 11 ガロアクリーク

走っても人気が出ないタイプのようです。

皐月賞3着は素直に評価していいはずですが。

 

△ 8 ビターエンダー

レースを使いすぎてしまったかなという印象ですが

まだ貯金があればここでの激走が期待できると思います。

 

△ 3 ワーケア

最も力が出せる仕上がりに出来たのはこの馬でしょう。

 

△ 6 ヴェルトライゼンデ

オークスのように追い込めるだけの体力が他の馬になかった場合、

相対的に浮上するのはこの馬だと思います。

 

△ 2 アルジャンナ

枠と血統のみでヒモに入れます。

 

 

 

※買い目

◾️馬連

5−12

 

◾️ワイド流し

1−5.12

 

◾️3連単フォーメーション

5→12→1.2.3.6.8.11

5→1.2.3.6.8.11→12

 

        計15点

 

 

競馬予想の方法を考える【#4 まとめ】

 

 

これまで3回にわたり書いてきた競馬予想の方法を考えるコラムですが、

簡単にまとめを書いておきます。

 

競馬予想の方法を考える【#1 過剰人気馬&穴馬発見メソッド】 - RM_horseの競馬コラム

競馬予想の方法を考える【#2 血統と調教の使い方】 - RM_horseの競馬コラム

競馬予想の方法を考える【#3 データの落とし穴】 - RM_horseの競馬コラム

 

 

#1ではレースの馬柱、出来ればレース映像までよく見て、

展開が向いた上で勝ったのか?向かなかったのにも関わらず勝ったのか?

を考えることをおすすめしました。

 

#2では血統、調教の使い方について、

血統は初条件での適性を見抜くのに優れており、

調教は基本的には出走馬間での比較はせずに、縦の比較をしましょう。

と書きました。

 

#3では勝率、回収率、ネガティブデータ等の落とし穴について書きました。

 

 

全ての項目に共通するのは、理由を考えるということです。

昨今、有料無料に関わらず、様々な人の競馬予想を見ることができます。

当たればもちろん称賛されますが、外れた時に叩く人も多いです。

 

他人の予想に全て乗っかるなとは言いません。

私もいろんな予想はよく見ますし、参考にすることもあります。

ただし、外れた時にその人のせいにするなということです。

そして、外れたからといって、バカにするのもやめましょう。

 

自分できちんと理由を考えられる人は、人のせいにはしません。

他人の予想を見たうえで、納得がいけば参考にしたり、丸乗りすればいいし、

違うなと思えば無視すればいいのです。

 

私はロジックがしっかりしていない予想家さんは見ません。

それがたとえ著名な関係者だとしても、印だけの予想を参考にすることはありません。

 

 

理由を考えていくことが、競馬予想の楽しさではないでしょうか?

そんな思いもあり、コラムを書かせていただきました。

 

 

 

 

競馬予想の方法を考える【#3 データの落とし穴】

 

競馬予想の方法を考えるコラムの第3回は

よく使われるデータの使い方を考えます。

 

昨今では本ブログを含めて、

競馬予想を発信しているブログ、YouTube等の媒体はゴマンとあります。

これまでに取り上げたような調教や血統、馬体を見て予想している人もいますが

1番多いのは、ある特定の条件でのデータを検証していることではないでしょうか?

 

今回取り上げるデータは

・勝率(連対率、複勝率)、回収率

・過去の好走、凡走時のデータ

・ラップタイム分析

です。

 

一つずつ使い方、注意点を考えます。

 

 

・勝率、回収率の意味を考える

まずは基本となる勝率(連対率、複勝率)、回収率を考えます。

※以後、勝率とだけ書きますが、

  連対率(2着以内率)と複勝率(3着以内率)を含みます。

 

先にポイントをまとめておきます。

① 勝率とは馬の強さが関係ない数値。

② 回収率は馬の強さによって大きく変わる数値。

③ 勝率と回収率には落とし穴が潜んでいる可能性がある。

 

 

① 勝率とは馬の強さが関係ない数値。

よく「このコース(レース)は内枠の勝率または回収率が高い傾向」

なんて言葉を聞きますよね。

当たり前のことを言いますが、勝率と回収率は違う性質を持つデータです。

 

勝率とは文字通り、勝つ確率です。

単勝1倍台の圧倒的な人気馬が勝っても、

単勝万馬券の超穴馬が勝っても、1勝にカウントされます。

勝率には馬の強さを考える要素がないことを頭に入れておきましょう。

 

 

② 回収率は馬の強さによって大きく変わる数値。

一方で、単勝複勝)回収率というのは、

その枠順の馬の単勝複勝)を100円買い続けた時に、

いくら返ってきているかという数値です。

単勝1.1倍の馬が勝っても、110円しか返ってきませんが

単勝100倍の馬が勝った際には10,000円も返ってきます。

回収率には馬の強さが大きく寄与することがわかります。

 

 

③ 勝率と回収率には落とし穴が潜んでいる可能性がある。

ここで極端な例を考えます。

100レースのうち、例えば1枠で単勝1.1倍の馬だけ、

2枠で単勝100倍の馬だけが走ったとします。

そのうち、1枠の馬は強いので50回勝ちました。返ってくるのは5,500円になります。

しかしたまたま2枠の馬が1回だけ勝ちました。返ってきたのは10,000円です。

1枠が50勝して、2枠が1勝しかしていなくても、

2枠の方が回収率が高くなります。

 

これを持って2枠が1枠より回収率が高いから狙い目だとなるでしょうか?

いえ、勝率は1枠が50%もあります。対して2枠の勝率はたった1%です。

 

だったら、2枠より1枠は有利なのでしょうか?

いえ、人気馬が1枠に偏ってしまっていますので、

強い馬が勝ちやすいのは当然です。

1枠が有利とは一概には言えません。

 

これは極端な例ですが、

数字の落とし穴は常に潜んでいる可能性があることを

頭に入れておきましょう。

 

例えば◯◯産駒や◯◯騎手の東京競馬場での

勝率は30%!回収率は200%!

なんてよく耳にしますよね?

 

ここに隠れやすい落とし穴は

・そもそもその産駒、騎手は競馬場に関係なく成績が良い。

・データの数が少ないのでたまたま高い数値。

・大穴の馬がたまたま1頭走っただけで数値を引き上げている。

 →マイナー産駒やリーディング下位騎手にありがち

といったところでしょうか?

これを理解した上で使うべきです。

 

では、落とし穴を回避するにはどうしたらいいでしょうか?

それはデータの数(分母)の増加が重要です。

データの数が増えると、データの偏りが少なくなるため、

増えれば増えるほど精度が高くなります。

 

数を増やすには、レース数は限られていますので、

過去のレースを何年も遡る必要があります。

しかし、そこにも別の落とし穴が待っています。

それは次項で記します。

 

 

・過去データは理由付けが重要

次に過去の好走・凡走データについて考えます。

 

先にポイントを記します。

① データ使用は主観や願望を排除するという長所がある。

② そのデータに合理的理由はあるか?

③ 過去にとらわれていては時代に取り残される。

 

 

① データ使用は主観や願望を排除するという長所がある。

データを用いて買う馬、買わない馬を選択していくのは、

主観や願望を排除するという長所があります。

どうしても思い入れのある馬はよく見えがちです。

それを買うのが競馬の楽しさでもありますが、客観的な評価が欲しいですよね?

そこで役立つのがデータです。

 

しかし、データの意味を理解しないと使い方を誤ります。

 

 

② そのデータに合理的理由はあるか?

よく重賞の過去データ分析において

・前走◯◯クラスで△着以下(もしくは◯秒以上負け)は0-0-0-21

・前走◯番人気以下だった馬は0-0-1-15

・前走馬体重が◯◯◯kg以下(以上)だった馬は0-1-0-28

・当日馬体重が◯◯kg増(減)だった馬は0-0-0-12

・前走4コーナーで◯番手より後ろだった馬は0-0-0-16

・前走の枠順が◯番より内側の馬は0-0-2-23

などといったデータを用いて、消去法で絞り込んでいく分析があります。

 

全てを否定するわけではありませんが、

使い方によってはただの数字遊びになります。

 

最も重要なのは、なぜそのデータになっているか理由を考えることです。

 

例えば前走のクラス別成績。

下のクラスで着順が悪かったということは、

実力が足りていないということの証明になっているのかもしれません。

しかし、◯着以下というようにボーダーを設けることが正しいのかわかりません。

例えば前走G3で6着以下はデータ的に厳しいという話なら、

5着はセーフで6着がアウトである合理的な理由はありません。

ただ単に今まで前走G3で6着以下の馬が馬券に絡まなかっただけです。

 

そもそも着順や着差というのは相手関係に大きく左右されます。

強い馬がたくさん出ていたら着順は悪くなりますし、

強い馬がぶっちぎると、着差もつきます。

また、出遅れや不利によって着順・着差も変わります。

 

要は1個のデータに該当していたからといって、

その馬を消しとするのはどうなのかな?と思っています。

上記で書いたように合理的な理由はないのですから、

盲目的に信じていいデータではないと思っています。

それなら一見すると根拠が足りなそうな

馬体重の話とか、前走の位置取りの話、前走の枠順の話の方が

案外合理的な理由があるものです。

 

 

③ 過去にとらわれていては時代に取り残される。

ネガティブデータなんて調べようによってはたくさん出てくるものです。

#2でも書きましたが昨年までの皐月賞ハーツクライ産駒は0−0−0−9でした。

これを盲目的に信じてハーツクライ産駒を切ると失敗でした。

データの数が少ないものや理由を考えないと痛い目を見ます。

 

競馬はどんどん変化・進歩していくものです。

馬にしてもスタッフにしても競馬場(馬場)にしてもです。

過去にとらわれていては時代に取り残されてしまいます。

流行に敏感になることも大事です。

 

勝率、回収率のところでは、

サンプル数を増やすために過去を遡ると書きましたが、

過去のデータが未来に役立つとは一概には言えないのです。

 

G1レースに臨むローテーションを見るとそうですよね。

最近のG1は過去になかったローテーションで勝利する例が続出しています。

また皐月賞を例に出しますが、

以前は3歳の初戦でぶっつけ本番で挑むと勝てないのがセオリーでした。

2017年の皐月賞、後のダービー馬レイデオロは、

ホープフルS(当時はG2)1着からのぶっつけ本番で臨みましたが5着でした。

しかし、2019年はサートゥルナーリアが同じローテで1着。

2020年も同様のローテでコントレイルが1着、

2着も朝日杯FSからのぶっつけのサリオスでした。

 

馬場状態も変わっていますよね。

昔はどの競馬場でも最終週ともなれば、

内側が荒れて外枠が断然有利になりましたが、

(夏の新潟や福島はまだその傾向)

今は仮柵によるコース変更も必要ないのでは?と思わせるほど

馬場造園の技術が向上してきています。

 

変化に対応していくことも競馬予想に求められていると感じます。

 

 

・ラップタイムは平均化してはいけない

最近、レース全体や出走メンバー個別のラップタイムを分析し、

そのラップタイムに合う馬を評価していく手法をよく見かけます。

これについても考えます。

 

先にポイントを記しておくと

① ラップタイム分析は有用性が高い。

② データの平均化はNG

③ 逃げ馬がどの馬かを考え、それに合わせてデータを使う。

 

 

 

① ラップタイム分析は有用性が高い。

ラップタイム分析は非常に有用な手法だと考えています。

条件が合わない危険な人気馬を探すのにも、穴馬を探すのにも向いています。

能力の高い馬と一言で言っても、発揮できる条件は違います。

 

好走時、凡走時のラップタイムを見ると、

前半スローがいいのか、速い流れがいいのか、

上がりはかかった方がいいのか、速い上がりがいいのか、

といった情報にとどまらず、

坂の得意不得意や、距離短縮or延長の適性を見ることにも優れています。

 

実際のレースで走った情報というのは非常に有益な情報と思います。

普段から私もかなり参考にしています。

 

 

② データの平均化はNG

しかし、分析手法を誤ると意味のないデータになってしまいます。

重賞レースの分析でよく、過去数年分のレースのラップタイムをプロットして、

平均化してペースを予測しているものが見られがちです。

 

なぜ平均化してしまうのかが全くわかりません。

たしかにラップタイムを決めるファクターの一つに、

コース形状が関係している側面はあります。

しかし、ラップタイムはその時の出走メンバーに左右されます。

たとえ過去5年その重賞がずっとスローペースだったとしても、

テンの速い強力な逃げ馬がメンバーにいたら流れます。

 

何でも平均化してしまう方の分析だと、

ハイペースだった年のラップタイムと

スローペースだった年のラップタイムを平均化して

前半も後半もミドルペースという、

訳のわからない分析になっていることもありました。

 

 

③ 逃げ馬がどの馬かを考え、それに合わせてデータを使う。

ラップタイムを使用するなら、

そのレースメンバーと枠順を見て、どの馬が逃げるのか考え、

そして、逃げ馬がどのようなラップを刻むのか考え、

そのペースに合う馬を探していくというのが当然の方法と思います。

 

全体のラップタイムの大部分を決めるのは逃げ馬です。

逃げ馬のペースに合わせて考えるのが合理的です。

 

どの馬が逃げるのか?に関しては、枠順とテンの速さに依存しますが、

思惑が知りたければ調教を見るといいです。

#2でも書きましたが、坂路を単走で速いタイムを出している場合は

逃げしか考えていないと思いますし、

調教で併せ馬をしている馬は、逃れなかったことを考えていると思います。

(もちろん結果的に逃げるということもあり得ますが)

 

 

 

 

 

次エントリーでこれまでのまとめをサラッと書きます。

 

 

競馬予想の方法を考える【#2 血統と調教の使い方】

 

競馬予想の方法を考えるコラムの第2回は

血統、調教といった馬柱の戦績にには出てこない、

予想ツールの使い方について考えてみます。

(馬体・パドックに関しては勉強不足のため、今回は書きません)

 

過去データを用いての予想についてはエントリーを改めます。

(次回#3で書きます)

 

 

 

・血統は初条件のレースで活きる

まずは血統について書きます。

 

先に血統予想のポイントをまとめておくと

① 初コース、初距離、初芝、初ダートといった初めての条件でこそ

  穴馬を拾うのも得意

② ◯◯産駒の回収率が高いといったデータは買い続けないといけない

③ 漠然と血統のデータを使うのではなく、理由を考える

 

 

① 初コース、初距離、初芝、初ダートといった初めての条件でこそ。

  穴馬を拾うのも得意。

競馬はブラッドスポーツと言われるように、

血統がその馬の個性に影響を与えているのは間違いありません。

 

ディープインパクト産駒の勝ち星が芝レースに偏っているのは

紛れもなく血統による影響でしょう。

父親で芝orダート、長距離or短距離くらいなら誰でもやっている血統予想ですが、

専門家になると最低でも5代くらいはさかのぼり、

ミスタープロスペクターニジンスキーダンチヒサドラーズウェルズ

といったような過去の名種牡馬の血を分析していたり、

もっとすごい人はナスルーラハイペリオンといった

いにしえの種牡馬を細かく分析されていることもあります。

 

私は血統の専門家ではありませんが、

血統は走っていない条件での適性を想像することに優れていると思います。

新馬戦や未勝利戦といったキャリアの浅い馬だけに留まらず、

重馬場や芝替わり・ダート替わり等、条件がガラッと変わる時に有効です。

基本的に初めての条件は走ってみないとわからないですが、

走る前から適性を見極めるのに血統を使うことができるのです。

走ってみてその条件に向いていることがバレてしまうと

次は人気になってしまいます。

 

また、能力は足りていなくても適性だけで上位に来るような

穴馬を拾うことにも向いているでしょう。

 

 

② ◯◯産駒の回収率が高いといったデータは買い続けないといけない

よく、◯◯競馬場で◯◯産駒をベタ買いすると単勝回収率、複勝回収率が100%超え

といったような話もよく聞きます。

これは単発で購入しても意味はあまり無く、ハズレても根気よく買い続けることで

プラスになるというものです。

その産駒がそのコースが得意な傾向があるのは間違いないのだと思いますが

あくまで3着内に来る確率が相対的に高いというだけの話であり、

必ず来るということではないということを改めて意識する必要があります。

 

なので、1度や2度、場合によっては何度も外れたとしても、

根気よく買わないとおいしい思いは出来ません。

 

 

③ 漠然と血統のデータを使うのではなく、理由を考える

そして、重賞レースにおいて、◯◯産駒は過去3着内に来たことが無い

といったデータの類もよく目にします。

これに関しては参考にしたとしても、あまり使ってはいけないデータだと考えています。

なぜなら重賞レースは強い馬が揃うので、“例外”を見つけるレースだと思うからです。

 

最近では皐月賞ハーツクライ産駒は0−0−0−9で一度も馬券内が無いので、

サリオスもマイラプソディも消しという予想をよく見ました。

結果論になってしまいますが、サリオスが2着となり

初めて皐月賞で3着以内のハーツクライ産駒となりました。

 

これに関しての理由の考察は様々だと思います。そもそも過去9頭だけでは

サンプル数が少ないという単純な理由かもしれません。

 

血統的な観点からの意見では、

坂上明大氏のYouTubeで納得のいく見解が述べられていました。

しかも皐月賞の予想の段階で話しています。

11:48あたりからです。

ハーツクライ産駒は皐月賞は成績が良くないのは、

 晩成型で若い時はトモが緩い馬が多いので後ろからの脚質で

 エンジンのかかりが遅い馬が多い。

 しかしサリオスはディンヒルの血が出ているのか追走スピードが速いタイプで

 典型的なのハーツクライ産駒とは違う」

ということでした。

 

漠然と血統データを使うのではなく、なぜそのデータになったのか

理由を考えられるといいと思います。

そうすると血統を使いながら例外も見つけられるでしょう。

 

ちょっと前はディープインパクト産駒は3000m以上の重賞が勝てないとも

言われていましたね。

その頃は菊花賞天皇賞・春ディープインパクト産駒は頭では買わないという人が

多かったですが、サトノダイヤモンド、フィエールマン、ワールドプレミアと

3頭のディープインパクト産駒が菊花賞および天皇賞・春で勝利していますので

もうディープインパクト産駒をマイナスに捉える人はいなくなりました。

 

血統だけではないですが、しっかりと理由付けが出来ることで

使いこなせるツールだと思います。

 

 

・調教は基本的に“縦の比較”

次に調教についてです。

 

こちらもポイントをまとめると

① 出走メンバー同士の比較ではなく、その馬の過去の調教との比較。

  馬の調子や成長を見るツールである。

② 若駒の新馬・未勝利戦ではメンバー同士で比較することも。

③ 各調教コースの効果、単走と併せ馬の違いを理解する。

④ 強い馬は直前軽め調教がおすすめ、調教のしすぎは当日テンション高い。

⑤ 見れる人は手前の替え方、頭の位置、ストライドなども見ている。

 

 

① 出走メンバー同士の比較ではなく、その馬の過去の調教との比較。

  馬の調子や成長を見るツールである。

調教に関しては皆が言っていますが、基本的には“縦の比較”です。

 

これは出走メンバー同士で比較するのではなく、

その馬の過去の調教と今回の調教を比較して、馬の調子を見るということです。

また、主に2歳から3歳の時期では、急激に成長することもあり、

それが調教に表れることがあります。

こういったことを調教で見るのです。

 

そんなことは言われなくてもわかっていると思います。

しかし、知らず知らずの間にメンバー同士で

調教を比較していることをよくお見かけします。

 

新聞の調教欄を見て、こっちの方が追い切りタイムがいいから

買うのはこっちの馬、とするのはいい使い方とは言えません。

調教はレースではないですから、4F追いなら4F本気で走るのか、

最後の2Fや1Fだけ本気になるのか、はたまたずっと馬なりなのか、

その馬や厩舎の方針によって違います。

 

あくまで縦の比較であることは最後まで忘れないようにしましょう。

 

 

② 若駒の新馬・未勝利戦ではメンバー同士で比較することも。

上で調教は縦の比較であって、メンバー同士との比較はしないと書きました。

しかし、新馬・未勝利戦では例外です。

 

特に新馬戦は馬券を買うための判断材料が少なく、

調教の他には血統、馬体(パドック)くらいしか情報がありません。

この3つの中では調教が最もレースを想像出来る情報だと言えます。

新聞では中間の調教過程とタイムを見ることが出来ます。

さらにJRA-VANでは新馬戦の最終追い切りの映像を見ることができます。

(全頭必ずあるわけではありませんが)

 

そして、若駒は仕上がりがものをいうことがしばしば。

最終的に名馬になる馬が、新馬戦は敗れていることも多いです。

これは2019年より9月の未勝利戦が廃止され、

将来的には3歳新馬戦が廃止される方向性も聞かれますので

より早期の勝ち上がりを求められており、デビューが早めになる傾向になりそうです。

 

よって従来ならデビューはまだまだの仕上がっていない馬も

早めにデビューさせることも増えていくでしょう。

なので新馬・未勝利戦で調教タイムや動きでメンバー同士で比較することは

妥当な使い方であると言えそうです。

 

そして、上記のメンバー同士での比較は若ければ若いほど効果的でしょう。

今の時期の3歳未勝利戦で、メンバー同士の調教タイムで比較するのは疑問です。

6月からの2歳新馬戦まで待ちましょう。

 

 

③ 各調教コースの効果、単走と併せ馬の違いを理解する。

調教コースは坂路、ウッドチップ、ポリ、芝、ダートがあります。

 

まず、坂路コースは高低差が競馬場より大きく、負荷をかけるのに向いています。

タイムを出さなくても傾斜で負荷がかかるのです。

ちなみに後でも出てきますが坂路もウッドチップ(木くず)で、脚元には優しいです。

コースが1000mくらいしかありませんので、4F(800m)追いが基本です。

なので短距離馬は基本的に坂路のみで仕上げることが多いです。

 

ウッドチップコース(CWと表記)と坂路との違いは、傾斜が無いことと

坂路よりコースが長いので、6F追いが出来ることです。

また、坂路は横幅も狭いので併せ馬も2頭が多いですが、

CWコースは3頭併せもしばしば見られます。

長距離レースでは折り合いも大事ですから、

坂路の短いコースだけというわけにはいきません。

 

調教は坂路とウッドチップコースをメインにしていることが多いです。

なぜなら、脚元に優しいからです。

 

ポリトラックコース(Pと表記)とは化学繊維等の混合物の馬場です。

天気の影響を受けにくく、タイムが安定する長所があります。

美浦ではよく使われている印象で、スピードが出やすいコースです。

CWより負荷がかかりにくいと言われることがありますが

あまり違いはわかりません。

 

競馬場と同じ芝、ダートのコースもあります。

普通は実戦と同じコースを使うのがいいのではないか?と思いますが

脚元への優しさを考えてのことか、CWを使うことが多いです。

ただし、雨が降るとCWは重くなり過ぎるので、芝を使うこともあります。

中間過程では芝やダートも使うこともありますが、1週前や最終追いは

ほとんどが坂路やCW、たまにPコースです。

 

そして、調教には単走と併走があります。

単走は1頭だけで走る調教で、自分のペースで気持ちよく走ることができます。

軽めの調教の際には単走になります。

また、後でも書きますが、併走すると追い抜こうと力が入るので

テンションを上げたくない時も単走です。

 

あとは逃げ馬も単走追いです。

となりに併走馬がいるとかかってしまう、しかしスピードはある

といった馬には逃げの先方が向いているので

単走で速いタイムを出す馬は逃げを考えていると言っていいでしょう。

 

併走(併せ馬)は2頭あるいは3頭が並んで走る調教です。

前の馬を抜かすという闘争本能を引き出す効果があります。

または逆にかからないように練習する、鞍上のGoサインまで待つ練習をする

といったように、実際の競馬で馬群の中に入ったことを想定したものです。

上記の逃げ馬は単走追いと反対に、いつも逃げている馬が併せている時は

逃げの手を打たないサインかもしれません。

 

といったように基本的なことではありますが

調教の意味を理解することも重要です。

 

 

④ 強い馬は直前軽め調教がおすすめ、調教のしすぎは当日テンション高い。

これは私の持論ですが、

調教で素晴らしい動きをする馬、

そもそもG1で好成績を上げるような強い馬は、

直前は軽めの調教がいいと思っています。

 

特に最終追い切りなんて3〜4日後にレースなのですから

サラッとしていた方がいいです。

 

これは元から強い馬なら直前に慌てて負荷をかけなくても

レースでは力を発揮してくれるでしょうし、

強すぎる調教は疲れも溜まりますし、当日にテンションが上がりすぎて

空回りしてしまうこともしばしばあります。

 

なので私は能力の高い馬に関しては、

1週前や最終追い切りで「軽い」と言われるくらいの方が

調教を評価しています。

 

もちろん中間は強めの調教をしていても構いません。

しかし、外厩仕上げも多い昨今では

トレセンでの調教が全てではないのでわからないところもあります。

 

 

⑤ 見れる人は手前の替え方、頭の位置、ストライドなども見ている。

これは私は全くわかりませんが、

・手前の替え方を見て、右回り、左回りの適性を見る

・頭の高さを見て調子や距離適性を見る

ストライドで小回り、大回り適性を見る

など、タイムだけではわからない情報を得る人もいます。

 

また、主観的ではありますが、

過去の映像と比べて動きが軽い、重いと評価することもあります。

 

そこまで使いこなせれば調教もより面白くなると思います。

 

 

 

 

今回は以上です。

次回(#3)は過去データを用いての

競馬予想の注意点について書きます。