RM_horseの競馬コラム

RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

POG簡易攻略講座【#1 POGのススメと厩舎、生産、馬主の傾向】

 

先日、日本ダービーが終わり、来週からは2歳新馬戦が始まります。

つまり、POG(ペーパーオーナーゲーム)も指名可能となります。

 

ご存知とは思いますが、POGとは任意の2歳馬を10頭指名して

その馬の獲得賞金をポイントとして競うゲームのことです。

 

POGは様々な媒体で主催されていますが、

JRA-VANPOGが最も参加者が多いと思います。

賞金総額300万円のPOGが無料で誰でも参加できます。

その他、netkeibaやUMAJINといったサイトでも開催されています。

 

今回は、POGの簡単な指名のポイントについて書きます。

以下のような方におすすめです。

・毎週のように馬券は買っているけれど、POGは未経験

・いつもPOGは適当に指名してしまっている

POGの指名馬をどうやって選んでいいのかわからない

・どんな馬が活躍するのか、傾向を掴んでおきたい

 

※以下に書くコラムはPOG熟練者の方にはツッコミどころ満載ですので

  毎年雑誌や赤本等の書籍を購入しているような方には全くオススメしません。

  また、ランキング関係なしに好きな馬、父馬、母馬、馬主さん、厩舎等で

  選んでいる方は、それがベストな遊び方だと思います。

  そういった方にもオススメしません。

 

 

POG指名で競馬が2割増しで楽しくなる

競馬は毎週楽しんでいるけれど、POGはよくわからない、

または面倒で経験がないという方、結構いらっしゃると思います。

 

私も最初はそうでした。

新馬戦の馬券もどう買えばよいのかわからないのに、

デビュー前、もしかしたら入厩前の馬の

今後の活躍なんてわかるわけがないだろうと。

 

もちろん今でもその考えは変わりませんが、

POGの楽しみ方はそうじゃないんです。

 

POGで指名した馬はその後も覚えているんです。

何気ない条件戦でも、

「あ、この馬POGで指名したなあ」

とヒモで買ってみたりするんです。

それが当たったりすると余計に嬉しくないですか?

何年もやっていれば、この母馬をPOGで指名したということもあるでしょう。

その子供は自然と応援しますよね?

それが楽しいのです。

 

血統のことも自然と身についてきます。

父馬だけではなく、5代血統表を眺めると、

よく見る種牡馬が出てきます。

その種牡馬の特徴がすぐにわからなくてもいいのです。

まずは名前を知るところから始めればいいのです。

 

競馬ファンにはPOGに参加することをオススメします。

そしてこのコラムがその手助けになれば幸いです。

 

 

・まずは登録

まずはPOGに参加するための手続きをしましょう。

前述の通り様々な媒体でPOGが開催されていますが、

とりあえずJRA-VANで始めてみましょう。

POG'19 ペーパーオーナーゲーム│JRA-VAN

 

JRA-VAN IDを取得する必要があります(無料)。

既にアプリ等でJRA-VANを利用されている方は登録不要でログイン可能です。

また、有料のJRA-VANを利用している方は、坂路調教ランキングを見ることができます。

 

もちろん、netkeibaの有料会員の方はnetkeibaの方で参加される方がいいでしょう。

 

 

POG指名は芝馬を

先に大前提を申し上げておくと、

芝のレースに出る(であろう)馬を指名しましょう。

ダート馬は基本的には指名しなくてよいです。

 

なぜならJRAは2歳と3歳のダートの重賞が極端に少なく、

賞金(=ポイント)が見込めないためです。

地方交流重賞や海外レースの成績は、

ほとんどのPOGではカウントされません。

 

なのでルヴァンスレーヴやクリソベリルのようなダートの怪物でも、

ラニのようなUAEダービー馬を狙ってもポイントは望めません。

芝馬から選びましょう。

 

 

 

・調教タイムを見て直前指名

さて、ここから本題ですが、手っ取り早いPOGの攻略法は、

調教タイムが優秀な馬がいたら、直前に指名するというものです。

POGはレースの前日までに指名が可能ですし(JRA-VANならば)、

一度に10頭全部を指名する必要はありませんので

ネット等のPOG特集で調教タイムが優秀な馬がいれば随時指名していけばいいのです。

 

競馬予想を考えるコラムで少し書きましたが、

2歳馬は仕上がりがとても重要ですので、

調教タイムが優秀ならばレースでも有力です。

 

ほとんどの活躍馬は新馬戦あるいは2戦目で勝ち上がっていますので

未知な3歳での走りを想像するよりも、目の前の勝ちを拾っていくと

その後の活躍が期待できることが多いです。

早めに勝ち上がってしまえば、その後のローテーションにゆとりも生まれます。

 

特に最近は6月の頭から有力馬がどんどんデビューします。

2018年6月3日(新馬戦の開始週)、東京5R2歳新馬戦で、

後の桜花賞1着グランアレグリアと阪神JF1着のダノンファンタジー

同じレースに出ていたことは記憶に新しいです。

(グランアレグリア1着、ダノンファンタジー2着)

 

ダービーが終わって余韻に浸る時間も無く、

翌日からはPOGの指名馬候補探しが本格的に始まっているのです。

 

 

・生まれの月を確認する

大前提として、POGは2歳6月から翌年3歳5月末までの期間でポイントを競います。

たとえその後菊花賞秋華賞を勝ち、古馬になってからも活躍する馬だとしても、

POGではポイントになりません。

 

なので遅くても2歳の年末までにはデビューしてくれないと

賞金の高い(=ポイントが稼げる)3歳春のクラシックには間に合いません。

 

そこで重要なのが生まれの月を確認することです。

馬は1月から5月の間に生まれますが、早く生まれる馬の方がデビューは早い傾向です。

人間でいえば赤ちゃんから高校生までの期間をたった3年で駆け抜けるのですから、

たった1ヶ月でも急成長するのはわかると思います。

小学校3年生と4年生では体格も脚の速さも変わりますよね?それと同じです。

 

実際にダービーでも勝つのは1,2月生まれが多いので、

早く生まれている馬を選ぶのが無難です。

 

(もちろん、遅い生まれでクラシックを勝った馬もいます。

 イスラボニータは5月生まれで皐月賞を勝ちました。)

 

 

 

・過去5年分の活躍馬

手っ取り早い調教タイムで選ぶ手法ですが、

芝orダートなのか、あと距離適性がわからない難点があります。

 

そこで過去の傾向からポイントを探ってみます。

まずは過去5年分の活躍馬を見てみましょう。

G1で好走した馬を抽出しています。

 

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上記表の5年の傾向から、

・厩舎

・生産者

・馬主

についてそれぞれポイントを押さえておきましょう。

 

種牡馬(血統傾向)に関しては、#2で書きます。

 

 

・西高東低の傾向

競馬は昔から西高東低と言われていますが、

POGにも当てはまるようです。

 

上記の過去5年の表を見ても、

美浦所属(東)よりも栗東所属(西)の馬が多いのは明らかです。

栗東所属を多めに、を意識するといいでしょう。

 

そして美浦では藤沢厩舎と国枝厩舎に良績が集中しています。

G1 2着までならちらほらとありますが、

1着だとディーマジェスティの二ノ宮厩舎とサリオスの堀厩舎のみです。

(二ノ宮厩舎は既に解散しています)

 

栗東の馬は所属はばらけていますが、友道厩舎の活躍が目立ちます。

クラシックに向けた馬作りを意識していることが感じられます。

 

上記の表に出てくる厩舎を意識して指名してもいいかもしれません。

 

 

ノーザンファームが強すぎる

表をパッと見て、すぐに気がつくことは

生産者ノーザンファームがあまりにも多いことです。

 

G1で勝負になるような活躍馬を指名したければ、

ノーザンファーム生産馬から選ぶのが最も確率が高いです。

 

そして、さらに注目すべきポイントは

ノーザンファームはリーディング上位の種牡馬でなくても

活躍馬を出しているということです。

クロノジェネシスの父はバゴですし、

アエロリットの父クロフネといったように

リーディング上位種牡馬じゃない産駒を指名するなら

ノーザンファームが優先でしょう。

 

また、種牡馬の活躍もノーザンファームが多いです。

ロードカナロア産駒初年度でアーモンドアイ、ステルヴィオ

オルフェーヴル産駒初年度でラッキーライラック

ジャスタウェイ産駒初年度でヴェロックス

リアルインパクト産駒初年度でラウダシオン

とたくさんの新種牡馬で活躍馬を輩出しています。

 

かつてはFrankel産駒のソウルスターリング

ヴィクトワールピサ産駒のジュエラーと社台ファーム

種牡馬で活躍馬を輩出していましたが、

ここ3年はG1に出走させるのがやっとの状況です。

 

今年はドゥラメンテ、モーリス、ミッキーアイル

リオンディーズラブリーデイエイシンヒカリなど

注目種牡馬が目白押しです。

 

毎年必ずといっていいほど、新種牡馬のG1勝ちが見られますので

種牡馬を最低でも1頭は指名しておいて損はないでしょう。

 

 

・ノーザン系クラブ馬が強い

ノーザンファームが強いのはわかりましたが、馬主はどうでしょうか?

やはりノーザンファーム系のクラブの馬が毎年クラシックの上位に絡んできます。

サンデーレーシング、キャロットクラブ、シルクレーシングの3クラブです。

 

個人の馬主さんも活躍できないわけではないですが、

POG指名馬はノーザン系クラブ馬で固めてもいいくらい、活躍が目立ちます。

 

また、上記の表には書いていませんが、

セレクトセール高額馬の活躍が少ないのも注目です。

これに関しては昨年のセレクトセール後にコラムを書きましたのでご参照ください。

高額馬は活躍するのか? - RM_horseの競馬コラム

 

ノーザン系のクラブの馬は、セレクトセールには出てきていませんので

セレクトセールの落札馬だけを見ても、POGは難しいでしょう。

 

上記の表で、セレクトセールで1億円以上の値がついた馬は

ラヴズオンリーユー、スワーヴリチャード、サトノダイヤモンドの3頭だけです。

1億円未満の馬も多いですし、デアリングタクトのような1300万という安馬も活躍したります。

落札額と活躍度はあまり比例しないことがわかります。

 

また、個人オーナーはいわゆる“自家生産馬”に注目です。

例えばディープインパクトキングカメハメハで有名な金子オーナーは

近年は毎年のように2億円前後の高額馬を落札していますが、

マカヒキワグネリアンの2頭のダービー馬は

母も金子オーナーの所有馬の“自家生産馬”でした。

 

サトノ冠のサトミHC(里見オーナー)も、

サトノダイヤモンドというセレクトセールでの大当たりはありましたが、

サトノアレスは母も里見オーナー所有馬でした。

 

高額馬はそれだけ馬体や才能を評価されているのにも関わらず、

活躍する比率としては自家生産馬も引けをとらず、むしろ多いくらいです。

これには少しだけ理由があると思っています。

 

それは所属厩舎に関係していると思います。

たいていの馬は、母馬の現役時代の厩舎あるいは、兄弟と同じ厩舎に入ることが多いです。

そうするとスタッフも同じなので、母や兄弟のクセもわかっています。

日常の世話や調教でのポイントも早めに把握しているということです。

さらに

「あの母馬(兄弟)と子供(弟、妹)なら活躍させてやりたい」

と気合いも入るわけです。(他の馬が適当というわけではないですが)

 

というわけで個人オーナーに関しては

高額馬よりも母もそのオーナー所有の自家生産馬に注目です。

 

 

 

 

 

 

次回#2では種牡馬別の解説をします。

血統の話も大まかにしていきます。

POG簡易攻略講座【#2 種牡馬別の傾向】 - RM_horseの競馬コラム