偉大なる母の話
今回は競馬をよく知る人なら当たり前の話ですが、
最近馬券を買い始めた方に向けて、競馬の馬券とは違った側面の話をしたいと思います。
先日のG1皐月賞はサートゥルナーリアが制しました。
サートゥルナーリアは父ロードカナロア、母シーザリオという血統です。
一応血統表のリンクを載せておきます。
血統情報:5代血統表|サートゥルナーリア|JBISサーチ(JBIS-Search)
サラブレッドにおいて父は種馬(種牡馬)ですので、ほとんどが大活躍した名馬です。
ロードカナロアも例に漏れず、日本競馬史上最高のスプリンターと言っても差し支えないです。
種牡馬は人気であれば年間200頭を超える種付けを行います。
サートゥルナーリアは今3歳ですが、同い年の父ロードカナロアは約200頭もいるわけです。
しかし、母は必ずしも現役時代に活躍した馬とは限りません。
サラブレッドは妊娠期間が約11ヶ月なので年間1頭しか出産しません。
種牡馬と同じように大活躍した馬だけでは需要を満たせません。
そのため、お母さんは現役時代に大きなレースを勝ってはいない馬がほとんどなわけです。
血統次第では、未勝利馬や未出走馬もいます。
こういった背景から、サラブレッドは父が同じだけでは兄弟とは言わず、母が同じであれば兄弟と言います。
兄弟の中で、父も同じであれば全兄弟、父が違えば半兄弟と言います。
さて、サートゥルナーリアの話に戻ると、
つまり、サートゥルナーリアは父も母も大活躍した良血馬なのです。
しかも、シーザリオが産み出した活躍馬はサートゥルナーリアだけじゃないのです。
半兄弟のエピファネイアとリオンディーズもG1勝ち馬で、現在は種牡馬になっています。
活躍したのはサートゥルナーリアで3頭目なのです。
これは本当にすごいことです。
3/17時点での3歳以上の現役馬7667頭のうち、G1勝ちがある馬は40頭しかいません(数え間違えがあればすみません)。
つまりG1馬になる確率は
40 / 7667 × 100 = 0.52%!!
もちろん現役馬限定の荒っぽい計算ですが、
オールタイムで統計を取ってもそんなに変わらないと思います。
その0.5%を3回も引いているのがシーザリオなのです。
とんでもない凄さが伝わったでしょうか??
G3アンタレスステークスを制したのはアナザートゥルースですが、
アナザートゥルースの母キョウエイトルースも
他にサウンドトゥルー(G1馬)、ルールソヴァールという重賞勝ち馬を産んでおり、
アナザートゥルースで3頭目でした。
シーザリオが凄すぎますが、キョウエイトルースもすごいお母さんです。
この日は活躍馬をたくさん産み出している、偉大な母を持つ馬が勝つ日でした。
もちろん、子供が活躍しないとお母さんの価値が低いとは全く思いません。
孫やひ孫の代で活躍馬が出たりするかもしれませんし、そういう例もたくさんあります。
また、競馬を何年もやっていれば、現役時代に応援した馬の子供だから応援しようとか
そういう楽しみ方もできるわけです。
血統の話はとんでもなく奥が深いので、いつか出来たらいいなと思っています。
(いかんせんまだ勉強中なもので・・・)