RM_horseの競馬コラム

競馬についてあれこれ書きます。

海外遠征帰りって実際どうなの??

 

「この馬は海外遠征帰りだから不安だなぁ・・・」

 

私も含め、無意識に使っている言葉です。

ですが思いました、本当に海外遠征帰りは鬼門なのか??

 

もちろん馬によって得意不得意や、その時の状況があると思いますが

過去の事例をまとめてみると見えてくるものがありそうなので

誰もやらないなら私がやります。

 

 

・香港遠征

まずは近場の香港です。

近いということと、招待競走が12月上旬と4月下旬の2度あるので

沢山の日本馬が遠征をしています。

 

下の表では、2013年以降の日本馬の香港遠征の成績と

その後の海外遠征帰り初戦の成績をまとめました。

オールタイムでまとめようと思いましたが、あまりにも数が多く、

過去5年ということで2013年からにしています。

また、海外での出走はG1限定にしています。

 

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2013年以降、述べ68例の出走があります。(68頭ではないので注意)

この内、勝利はロードカナロア、モーリス3回、エイシンヒカリ

サトノクラウンネオリアリズム、ウインブライトの8回あります。

 

モーリスの香港での強さが際立ちます。香港のG1を3戦3勝。

特筆すべきは3回は全て違うレースということ。

しかし、そのモーリスでもチャンピオンズマイルを勝ち、

帰国初戦の安田記念はダントツの1番人気に支持されながら2着となりました。

これはレース間隔が1ヶ月しかなかったことも影響していると思いますが

モーリスでも勝てなかったのが海外遠征帰りの初戦です。

 

期間中、香港と日本を連勝したのはサトノクラウンのみ。

しかし日本ではG2京都記念であり、G1ではありませんでした。

 

帰国初戦で勝利した例は、サトノクラウンを含めて6頭いますが、

ここで特筆すべきはリスグラシュー

牝馬でありながら混合G1の宝塚記念を勝っています

後でドバイや欧州等の遠征のまとめも出しますが

海外遠征帰りでG1を勝った馬はかなり少なく、

その全てが名馬と呼ばれる存在です。

リスグラシューも既に名馬の仲間入りをしているかもしれません。

 

 

■データ

 

※もちろん2013年以降です。

 

・香港遠征の総合成績

8-6-7-47

勝率11.8%、連対率20.6%、複勝率30.9%

 

・香港遠征帰り初戦の総合成績

6-6-5-34

勝率11.8%、連対率23.5%、複勝率33.3%

 

・遠征帰り1着の内訳

G1 1勝、G2 4勝、G3 1勝

 

平均人気2.5、中央値3

1番人気1着はミッキーアイル阪急杯とファインニードルのセントウルS

4番人気以下はエイシンフラッシュ毎日王冠のみ

 

平均レース間隔3.1ヶ月、中央値2.5ヶ月

最短間隔はサトノクラウンリスグラシューの2ヶ月

最長間隔はエイシンフラッシュの5ヶ月

 

・遠征帰り3着以内の内訳

G1 3回、G2 8回、G3 5回、OP以下 1回

 

平均人気3.5、中央値3

4番人気以下は7例、最低人気は8番人気

 

平均レース間隔3.6ヶ月、中央値2.5ヶ月

最短間隔はマイネルラクリマ、モーリスの1ヶ月

最長間隔はスノードラゴンの1年3ヶ月

 

・3番人気以内で4着以下になった例:16回

うち1番人気で4着以下は6例

 

 

■まとめ

・海外遠征帰り即G1で勝つのはかなり稀なケース。

・G2以下で人気馬ならそこまで遠征帰りを気にしなくていい。

・馬券内は3番人気以内がベターで、10番人気以下の巻き返しは厳しい。

・間隔は2ヶ月半は欲しい。

 

 

 

・ドバイ遠征

続いてドバイ遠征です。

距離は遠いですが、3月末のドバイミーティングに招待されると

遠征費は全て主催者持ちなので、多数の馬が遠征します。

(そのかわり登録費は1000万前後かかると言われています)

 

香港同様、2013年以降のドバイ遠征をまとめています。

G1に限定しているので、UAEダービーゴドルフィンマイルは含めていません。

 

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45例の出走があり、勝利はジャスタウェイジェンティルドンナ

リアルスティールヴィブロス、アーモンドアイの5頭。

 

ジャスタウェイはとんでもない馬であることがわかります。

ドバイデューティーフリー安田記念を連勝。

海外のG1を勝利して海外帰りで日本のG1を勝った馬は

2012年以前を含めた歴代でも他にタイキシャトルアグネスデジタルしかいません。

 

ドバイ遠征と遠征帰り初戦を連勝したのはジャスタウェイのみでした。

アーモンドアイも同じようにドバイターフから安田記念に向かいましたが

連勝はできませんでした。

もちろん外枠からの出遅れでパフォーマンスが落ちたとは思いませんが

結果だけを見るとアーモンドアイですら勝てませんでした

 

歴代最強牝馬ジェンティルドンナも2度のドバイ遠征で2着、1着と

好成績をあげていますが、帰国後の宝塚記念は3着、9着と人気より下の着順。

やはり海外遠征後の帰国初戦でのG1レースは鬼門です。

 

 

■データ

 

・ドバイ遠征の総合成績

5-6-5-28

勝率11.4%、連対率25.0%、複勝率36.4%

 

・ドバイ遠征帰り初戦の総合成績

5-4-7-21

勝率13.5%、連対率24.3%、複勝率43.2%

 

・遠征帰り1着の内訳

G1 2勝、G2 1勝、G3 1勝、OP以下 1勝

 

平均人気1、中央値1

なんと遠征帰りで勝利した馬は全て1番人気。

 

平均レース間隔3.6ヶ月、中央値3ヶ月

最短間隔はジャスタウェイの2ヶ月

最長間隔はレイデオロの6ヶ月

 

・遠征帰り3着以内の内訳

G1 7回、G2 3回、G3 4回、OP以下 2回

 

平均人気2.5、中央値1

4番人気以下は4例、最低人気は7番人気

 

平均レース間隔3.6ヶ月、中央値3ヶ月

最短間隔はジャスタウェイ、アーモンドアイの2ヶ月

最長間隔はヴィブロスの6ヶ月半

 

・3番人気以内で4着以下になった例:7回

うち1番人気で4着以下は1例(2019年マテラスカイ)

 

 

■まとめ

・やはり海外遠征帰り即G1で勝つのはかなり稀。

・クラス問わず勝ち切るのは1番人気で、3着内も1番人気が多い。

・1番人気で馬券圏外がほとんどない。

・間隔は3ヶ月は欲しい。遠征地の距離の関係か香港より間隔が長め。

 

 

 

・欧州、米国、豪国遠征

最後に欧州、米国、豪国遠征です。

ドバイと同様フライトの時間がかかります。

また、特に欧州は日本と馬場がかなり違うことが多いです。

 

同様に2013年以降の遠征をまとめています。

 

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勝利は5頭。3頭がオーストラリアで、1頭はフランス、1頭イギリスです。

オーストラリアは最近勝利馬が出ていませんが、表にはないですが

日本の競走馬登録を抹消してオーストラリアに移籍後にG1を勝った

トーセンスターダムブレイブスマッシュなどの例があり、

日本馬の適性は高そうです。

 

欧州でG1勝利を挙げたのは2頭。

エイシンヒカリは日本ではG1勝利がありませんが香港とフランスで1勝ずつ。

日本より欧州の適性が高かったのかもしれません。

もう1頭は先日ナッソーSを勝利したディアドラです。

 

 

■データ

 

・欧州、米国、豪国遠征の総合成績

5-5-1-37

勝率10.4%、連対率20.8%、複勝率22.9%

 

・欧州、米国、豪国遠征帰り初戦の総合成績

1-4-5-14

勝率4.2%、連対率20.8%、複勝率41.7%

 

・遠征帰り1着:オルフェーヴル有馬記念

1番人気、レース間隔2ヶ月半

 

・遠征帰り3着以内の内訳

G1 3回、G2 4回、G32回、OP以下 1回

 

平均人気2.2、中央値1.5

4番人気以下は1例、サトノノブレス金鯱賞(8番人気2着)

 

平均レース間隔3.8ヶ月、中央値3.8ヶ月

最短間隔はジャスタウェイエピカリスの2ヶ月

最長間隔はキズナの6ヶ月

 

・3番人気以内で4着以下になった例:2回

ハープスタージャパンカップとアエロリットのヴィクトリアマイル

 

 

■まとめ

・欧州、米国、豪国帰りで勝利するのはかなり難しい。

・ただし2着3着率は他の遠征先と変わらないくらい。

・3番人気以上の上位人気なら遠征帰りでも十分狙える。

・間隔は4ヶ月近く必要。

 

 

 

・結論のようなもの

■海外帰り即G1を勝つのは名馬と言われる馬のみ。

   → リスグラシューは名馬の仲間入りをしているのかもしれない。

 

■G2以下は人気があるようなら、素直に狙うべき。

   逆に人気がない馬は狙いにくい。

 

■レース間隔は香港なら2ヶ月半、ドバイなら3ヶ月半、欧州や米国は4ヶ月以上が目安。

 

 

 

 

今後もこのデータはアップデートしていこうと思います。