RM_horseの競馬コラム

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競馬についてあれこれ書きます。

POG簡易攻略講座【#2.5 種牡馬別傾向アップデート】

昨年書いたPOG簡易攻略講座の続きです。

POG簡易攻略講座はこちら↓

 

 

 

今回は#2のアップデート版です。

昨年書けなかった比較的新しい種牡馬について記します。

 

エピファネイア

 初年度から牝馬三冠のデアリングタクトを輩出し、2年目も皐月賞馬エフフォーリアが出ています。

ただし、POG期間で活躍したと言えるのは、

他にはホープフルS 2着のオーソクレース、京成杯2着のスカイグルーヴ、

フラワーC 3着、ニュージーランドT 2着のシーズンズギフトくらいです。

(※POG期間後であればアリストテレスがいる)

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引用:TARGET frontier JV


上記の全ての馬に該当するのは、サンデーサイレンスの4×3を持っていることです。

血統が全く分からない、という方でもサンデーサイレンスの4×3の馬を探すのは簡単です。

母の父がサンデーサイレンスの子供というだけで(例えばディープインパクトハーツクライステイゴールドなど)、サンデーサイレンスの4×3が成立します。

もちろん、デアリングタクトやスカイグルーヴのように、母母父がサンデーサイレンスでも活躍しています。

とにかくエピファネイア産駒はサンデーサイレンスの4×3です。それ以外の血統は狙うべきではないというくらいです。

距離は1800~2000mあたりが良さそうな馬が多い印象です。クラシックでも活躍が期待できるでしょう。

 

 

キズナ

まだG1の勝利はありませんが勝ち上がり率が非常に高く、安定した成績を残している種牡馬です。

POG期間の重賞勝ちも多数あり、今後の大活躍に期待が持てます。

キズナ産駒の傾向ですが、Haloのクロス(4×4や4×5)を持つ馬が多いようです。

少しでも血統に詳しい方ならご存じだと思いますが、Haloはサンデーサイレンスの父です。

キズナは父ディープインパクトでその父サンデーサイレンスなので、

母系の4代前にサンデーサイレンスの血があればサンデーサイレンスの3×4が成立します。

もちろん、サンデーサイレンスの3×4を持つ活躍馬もいます。

今年のNHKマイルCで惜しい2着だったソングラインや、桜花賞3着のファインルージュが該当します。

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引用:TARGET frontier JV

※母母父がサンデーサイレンスの子供だと、サンデーサイレンスの3×4が成立する。しかし、ディープインパクトハーツクライといった種牡馬サンデーサイレンス産駒の中では比較的新しいため、まだこのクロスになるような繁殖牝馬はかなり少ない。

 

しかし、サンデーサイレンスのクロスがなくても、Haloのクロスはあるという活躍馬も多いのです。

例えばディープボンドやクリスタルブラック、アブレイズといったPOG期間の重賞勝ち馬も該当します。

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引用:TARGET frontier JV

※ディープボンドは母父キングヘイローで、母母にもサンデーサイレンスの血は無いが、キングヘイローがその名の通りHalo持ちなのでHaloの4×4のクロスはあることがわかる。


サンデーサイレンスのクロスを持っているということは、Haloのクロスを持っていますので、ひっくるめてHaloのクロスに注目したいと思います。

 

キズナの場合は、エピファネイアとは違いHaloのクロスは活躍馬の必須条件ではないようです。

マルターズディオサやビアンフェ、バスラットレオンなどはNorthern Dancerの5×5を持っており、こちらの配合も注目かもしれません。

(なぜか短距離指向が強そうな馬が多いですが)

 

距離は牝馬ならマイル、牡馬は2000m前後が多いようです。

 

 ・ドゥラメンテ

キングカメハメハで母父サンデーサイレンスなので繁殖牝馬は選びますが、

名牝エアグルーヴの血を持ち、現役生活では圧倒的な成績を残したことから、

引退時点ではかなり期待されていた種牡馬だと思います。

しかし初年度産駒は皐月賞2着のタイトルホルダーくらいで、大きな結果は残せませんでした。

勝ち上がり率や2勝以上率は優秀なので大失敗ではありませんが、大きな期待に応えたとは言えないでしょう。

 

まだ初年度産駒が走り始めて1年なので、血統の傾向はわかりませんが、

どうやらサンデーサイレンスのクロスにはこだわらないようです。

ドゥラメンテ産駒2勝以上した13頭中、サンデーサイレンスのクロスを持っていたのは2頭だけです。

むしろキングカメハメハ系を生かしたMr. Prospectorのクロスを持つ馬の活躍が多いです。

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引用:TARGET frontier JV

 

距離は長いほうがいいと思います。(アスコルターレは短距離馬ですが)

そして3歳春に急成長してきた馬が多いです。

タイトルホルダーだけを見て言っているのではありません。

2歳時はサイアーランキングもモーリスに後れを取っていましたが、3歳になると勝ち上がりや2勝目が急激に増えていきました。

青葉賞ドゥラメンテ産駒が3頭も出てきたことは、成長が3歳になってからということに加え、距離適性の長さを表しているでしょう。

 

POGで指名するならダービー、オークス狙いになります。

 

 

・モーリス

この種牡馬はスタッドイン直後は期待と不安が両方ありました。

現役時代のマイル~2000mで見せた圧倒的なスピードに加え、

エピファネイアと同様にサンデーサイレンスの4×3が作りやすい血統構成であったため、

種牡馬としての大成功を確実視する見方があったのに対し、

モーリス自身の母がメジロ系であるため、そんなオールドな血は流行らないとか言われていたりもしました。

 

そんなモーリスの初年度産駒は、重賞馬は3頭輩出されたものの、

POG期間でのG1好走馬は残念ながらおりませんでした。

なんとなく期待と不安の通りの結果になったような気がします。

 

血統傾向ですが、エピファネイアほどではないですがサンデーサイレンスの4×3はやはり強いです。

ファルコンSの勝ち馬ルークズネスト、京都新聞杯2着のルペルカーリア、サウジアラビアRC2着のインフィナイトなどが該当します。

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引用:TARGET frontier JV

 

距離はやはりマイルが中心でしょう。

しかし、例えばダイワメジャー産駒のように1600mまでしか間違いなく走らないというわけではなさそうです。

上記のルペルカーリアが2200mの重賞で2着ですし、京成杯3着のテンバガーもいます。

ただ、1400m~1600mが得意な馬が圧倒的に多く、そのほとんどが先行して粘りこむタイプです。

差してくるのはシゲルピンクルビーくらいです。(シゲルピンクダイヤの妹なので納得でしょう)

 

 

・おまけ①サンデーサイレンスはやはり偉大だ

以上4頭の最近の種牡馬を振り返ると、サンデーサイレンスは本当に偉大な種牡馬だと改めて感じさせられます。

まず、上記4頭が全てサンデーサイレンスを持っているのです。

これだけでも相当すごいのに、サンデーサイレンスのクロスを持っている馬が強いというのは脱帽です。

 

4×3のクロスは俗に”奇跡の血量”と呼ばれ、古くから活躍馬が多いことが知られています。

しかし、クロスによって活躍が保証されるわけではなく(そもそも科学的根拠はない)、

子供が大活躍した種牡馬だとしても、4×3のクロスが失敗した例もたくさんありました。

 

しかしサンデーサイレンスの4×3は今のところ大成功と言っていいでしょう。

サンデーサイレンスが亡くなって19年、またさらに評価が上がりました。

 

いつかディープインパクトも4×3のクロスを持つ馬がバンバン出てきて活躍するのかな?なんて考えたりします。

そのためにはキズナのようなディープインパクト産駒の種牡馬が活躍しないことには始まりません。

答え合わせは20年後ですね。

 

 

・おまけ②2021年新種牡馬

今年も多くの種牡馬の初年度産駒がデビューします。

主な種牡馬を挙げると

キタサンブラック

イスラボニータ

サトノアラジン

ロゴタイプ

ディーマジェスティ

■シルバーステート

ビッグアーサー

コパノリッキー

ラニ

 

といったラインナップとなっているのですが、

一番注目しているのは上記にはないドレフォンです。

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引用:TARGET frontier JV

 

 アメリカのダート短距離馬であり、ダート種牡馬と思う人もいると思いますが、

サンデー系の牝馬をつけてあげれば、芝で活躍するのではないでしょうか?

 

なぜなら日本の芝に合いそうな血をたくさん持っているからです。

父系にはディープインパクトと相性が良いことで知られるStorm Cat

キングカメハメハの父の父であるMr. Prospectorを持ち、

母系もこれまた日本の芝に適応しているVice Regent(例えばクロフネが持っている)、

高速馬場の適応力が高いIn Realityを持っています。

 

社台SSでドレフォンの導入が発表された際、

「これはディープインパクト産駒の”逆”をやろうとしているのだな」

とすぐに思いました。

ディープインパクトには母にStorm Catを筆頭にアメリカのスピードのある血を入れて活躍馬をたくさん出しました。

ドレフォンには母系にディープインパクトなどのサンデー系を入れるのだろうということです。

 

予想通り、サンデー系の繁殖牝馬をたくさんつけているようです。

ドレフォン産駒の芝の走りに注目です。

 

※同じようにStorm Cat系の種牡馬ヘニーヒューズがおり、ダートに偏っているじゃないかと指摘がありそうですが、ヘニーヒューズはダート系の繁殖牝馬が多いのがダートに偏る要因だと思っています。また、ドレフォンと違いMr. Prospectorは持ちません。

 

今年から来年にかけて、またPOGを楽しみましょう。